駆け足で走っている馬に乗って、棒で小さな金属のリングを集めるこの地域のスポーツをご存じでしょうか。ドイツ語で「リングライテン」、つまり「輪を集める乗馬」と言います。得にドイツ北部とデンマーク南部で普及している歴史の深いスポーツですが、夏の間に地方部の各地で開かれるトーナメントが今でも大人気です。
勝つためには、紐からぶら下がる金属のリングを棒で刺して集めなければなりません。なるべく小さなリングをなるべく多く集める必要があります。棒の長さが地方によって異なりますが、たいていの長さが50~160cmです。リングの直径が2.2~0.6cmへ、ゲームが進むとどんどん小さくなります。磁石でひもに付けられているリングがおまけに風の影響を受けてぐるぐると回りますので、リングを上手く集めることがそう簡単ではありません。
試合に勝った人が1年間に村の「王様」となります。大変光栄なことですが、もちろんそれなりの義務もあります。たとえば、王様が翌年の試合の前に参加者全員をパーティに誘って、食べ物と飲み物を提供する義務のある地方があります。
もちろん、リングライテンの日そのものが祭りの一日です。王様が先頭ととり、全ての参加者が付いていくパレードがあります。普段は、消防署などの音楽隊がその際に同行し、楽しい音楽を流します。
ところで、(プロの)競馬と異なって、リングライテンに出てくる馬が本当に様々です。農家がたまたま飼っている馬ですので、品種も、色も、大きさもばらばらです。
冒頭でいったように、このスポーツの歴史がとても長いと言われています。騎士の乗馬練習に由来するので、この遊びのルーツが14世紀にあるそうです。騎士のことですので、もちろん男性のみでした。しかし、女性も見るだけで満足しませんでした。自転車の普及に伴って、女性が1920年代に自転車のリングライテンを始めました。楽しい飾りが付いている自転車に乗って、馬に乗ったようにリングを棒で集める試合を今でも見えます。
(2014年元旦)
最終更新:2013年1月1日
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