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Neujahrskarten

2018年(戌)

新春を迎え、皆様のご健康とご多幸をお祈り致します。

戌

人間の言葉が犬に通じると思いますか。

犬を飼っている皆さんが、確信を持って「通じる!」と答えるでしょう。しかし、本当にそうでしょうか。

人間の言葉があまりにも通じたので、ドイツのクイズショーにも登場し、90年代の後半に話題になった犬がいます。名前は「リコ」で、種がボーダー・コリーいです。ボーダー・コリーとは、イギリスの北部などで羊飼いと一緒に働く犬で、口笛など、羊飼いの指示に従いながら羊を動かす能力が有名です。

リコが多くのものの名前を覚えたのは見事でした。犬の玩具がおいてある部屋から、言われた特定のものを持って来ることができました。例えば「雪だるま」と言うと、雪だるまの人形、「縄」と言うと、縄の玩具を持ってきてくれました。このように、犬が250語以上を区別できるようになりました。三歳児の人間の子供と同等です。

しかし、人間の子供ならできるが、ほかの動物ならできない能力がもう一つありました。例えば雪だるまや縄など、リコが知っている玩具を何個か部屋においておき、さらにはリコの知らない玩具を一個おいておくと、知らない玩具を指す言葉を言うと、リコが知らない玩具を持ってきてくれました。おまけには、繰り返しがなくてもこの新しい言葉を数週間おぼえることができました。何回か練習をすれば、語彙が一つ増えたことになります。

おまけには、人間が言葉をどう文章にしても、内容が犬が通じました。「雪だるまはどこ?」でも、「雪だるまを持ってきて!」でもokでした。

実は犬が皆そうです。「お散歩!」と言わなくても、靴を履こうとしましたら、犬がわくわくします。人の動作や動きだけではなく、人間の表情が犬に通じます。

テレビ番組で有名になったリコがその後、研究の対象となりました。しかし、他の犬も似たような能力を持っていることが研究で判明しました。

例えば、写真をみて、適切なものを持って来る犬もいました。「ベトシー」といった犬ですが、写真とは紙一枚とみるのではなく、写真に写っているものが立体的で実際のものを示すことが理解できた犬です。

人の考えている内容を推測する能力が言葉を習うために必要と、以前は見られていたが、この能力には人間に限りません。しかし、研究者がびっくりしたのは、遺伝子が近い、何でもまねすると言われているお猿さんが人間の動作をある程度しかわからず、人間の動きをまねできない一方、犬が人間のまねまでできます。人が指で指している方向でものを探すことが人間や犬の子供にもできますが、子供や大人の猿にはなかなかできません。人間の育ったオオカミにも指を指すジェスチャーが通じません。猫はもちろんご興味もなし。

リコは確かにお利口さんでした。しかし、研究の結果を見ると、人間が犬を上手く飼っているのか、犬が世話を見てくれる人間を上手く飼っているのか、よくわからなくなってきました・・・。

(2018年元旦)

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最終更新:2018年1月1日
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