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Neujahrskarten

2016年(申)

申

ドイツでは、「お猿さんとフクロウ」の話がとても有名です。

14世紀にはヨーロッパの四方八方を歩き回ったティル・オイレンシュピーゲルがブラウンシュヴァイクのパン屋で働くようになりました。ある日、彼の雇い主には夜の間に出かける用事ができ、「今夜、一人で焼いてね」と、ティルにお願いしました。「何を焼けばいいの?」と、ティルが確かめた。「なに?!?君はパン屋だろう?普段はなにを焼くと思う?お猿さんとフクロウ???」と、怒りっぽい性格を持っているパン屋が怒鳴りました。

ティルがその指示に文字通りに従い、いつものパンではなく、お猿さんとフクロウだけを焼きました。朝、店に入ったパン屋が驚いて、「この野郎!こんなもの、売れると思うの?!材料を払え!全部を持って、出て行け!」と、怒りました。

ティルが材料費を払って、お猿さんとフクロウを持って教会に出かけました。

その日は、教会で大きな儀式を開くことになっていました。市民が全員集まったので、ティルがお猿さんとフクロウを教会の前で売るようにしました。大儲けでした。

そのことに気づいたパン屋がさらに怒ったが、市民が彼のことを笑ったばっかりです。

伝説のティル・オイレンシュピーゲルが1300年にブラウンシュバイクで生まれ、その50年後にはハンブルク付近のメルンで無くなりました。実際には、ブラウンシュバイク付近の貧乏貴族とメルンの当時の有名な人物が話の元になっているそうです。そして、16世紀の前半に設立された記念碑、20世紀の銅像とオティル・イレンシュピーゲルの博物館がメルンにあります。

1510年頃に印刷されたオイレンシュピーゲルの本が今も残っています。「お猿さんとフクロウ」の話のように、オイレンシュピーゲルが人の指示を文字通りに守り、人の本質を見せだしました。ティル・オイレンシュピーゲルを巡るエピソードが96本ほどあります。この話が中世にもすでにいろいろな言語に訳されました。遍歴職人のように歩き回り、お金持ち、教会、権力者や何でも信じてしまう一般人をからかうオイレンシュピーゲルが周りの人より賢く、人を笑う性質を持つ道化として描かれています。

ところで、ブラウンシュバイク市内のパン屋には、今でもお猿さんとフクロウのクッキーを売っている店があるそうです。お猿さんとフクロウの噴水もあります。

今度ドイツに来たときには、オイレンシュピーゲルの足跡を辿ってみませんか。

(2016年元旦)

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最終更新:2016年1月1日
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