ドイツのクリスマスには、ツリーが欠かせません。ツリーには、飾りが欠かせません。色鮮やかの吹きガラスから製造されている小鳥を飾ることがたびたび見られます。尻尾が羽かガラスファイバーで、小鳥の他にクジャク、白鳥、フクロウやキジなどもあります。クリスマスマーケットを歩きながら、その多様性を発見することがクリスマス前の一つの楽しみです。
この小鳥の出身地がチューリンゲン地方のラウシャ市です。人口約3300人の本当に小さい地方都市ではありますが、ガラス製造の歴史が非常に豊かな街です。とても面白いガラスの資料館もありますので、是非一度はご訪問して下さい。
原材料や燃料が豊かで、ガラス製造が中世から始まった地方に位置し、ラウシャ市がガラス工場とともに17世紀に設立されました。吹きガラスの製造が18世紀から始まり、ガラス製のツリーの飾りが1874年にラウシャ市内で発明されました。伝説によりますと、クルミやリンゴを買えなかったほど貧しいガラス吹き工人が残り物のガラスからツリーの飾りを製造し始めたのは発祥ではありますが、ガラスの原材料こそは貴重のはずでした。本当かな?
どちらにしても、ガラスの飾りが当時のヒット商品となり、高級品としてのアメリカへの輸出が1880年代から始まりました。
ところで、ツリーそのものの歴史が案外と浅いです。発祥の仮設が色々ありますが、ストラスブール中心のアルザス地方が有力のようです。しかし、ツリーが各家庭に普及したのは、19世紀の後半です。
まずは、もみの木が一般人の手に入ってきたのは、19世紀後半です。木材がそれより以前、燃料や材料としてとても高価なものでした。19世紀の半ば頃までには、欧州のほとんどの森林がその結果、伐採されていました。たとえば、日本でも有名な「黒い森」裸山に化けたその一つでした。本来は主に広葉樹の森ではありましたが、土壌の破壊を止めるためには、根は浅いが成長が早い針葉樹が植えらた植林です。
なお、ツリーの普及とともに、その飾りが進化しました。もともとはリンゴやクルミなど、食べられる物を飾る習慣はあったようです。次には自家製の飾りが普及してきました。色鮮やかな紙やホイル、藁、ビーズやクルミの殻など、手頃なものを使って、飾りを作る習慣が今でも根強く、特に子供のいる家庭で大変人気な年中行事となっています。しかし、チョコやマーチパンなど、食べられる飾りも今でも売っています。自家製のものやどこかで買ったもの、食べられるものや食べられないもの、白いものばっかりや赤いものばっかりか色鮮やかなもの、毎年同じものや毎年の新品展示、飾りの種類や好みが実に無限です。
今年ではなくてもいいので、一度ぐらいはラウシャ市を訪問し、ガラス製造の豊かな歴史を是非味わってきてください!
(2017年元旦)
最終更新:2017年1月1日
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