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路子ブログ*

(*鉄道の好きな女は「鉄子」なら、道路に興味のある女は…?)


リンクハンブルクでは、先端的な乗り合いタクシーが導入予定 || リンク自転車が財政的に有利が、自動車交通への補助が手厚い:カッセル大学の研究 || リンク自動車の登録台数が増えても、自動車交通量が減っていくハンブルク市 || リンク連邦環境局意識調査:多くの通勤者が自動車を離しても良いと思っています || リンク「自転車に優しい雇い主」の指導と認証 || リンクゴミ焼却所のリサイクル || リンクハンブルク都市圏が高速自転車道のネットワークを目指す || リンク相乗り仲介が地方の公共交通を補う


タクシー
ケルンで走っている乗り合いタクシーの事例。ルートが決まっているが、ダイヤが決まっていないので、クルマを事前に呼ぶ必要があります。(撮影:Busbahnhof*

2017年6月28日(水)
ハンブルクでは、先端的な乗り合いタクシーが導入予定

フォルクスワーゲン社の子会社「モイア」が来年から、ハンブルク市内で6人乗りの電気自動車を乗り合いタクシーとして実験しようとしています。タクシーと路線バスの間に位置する新たなサービスで、現在はマイカーで移動する人を乗客として視野に入れています。販売がハンブルク市の地下鉄事業者が運用している公共交通のポータルサイトリンク「switchh」を通してとなります。従来の公共交通を補うために、switchhがすでにカーシェアリングやバイクシェアリングを提供しています。新しいサービスの運賃が未確定ですが、モイアによりますと運賃が公共交通より高く、タクシーより安いそうです。

この新しいサービスを予約するためには、スマホが必要です。出発するところと目的地を入力し、モイアのソフトが他のお客さんの希望と調整したルートを算出し、運賃を計算するそうです。そのためには、「乗り合いタクシー乗り場」を全市に配置する必要があります。なぜなら、モイアの乗り合いタクシーが従来のタクシーと異なりドア・ツ・ドアではなく、乗り場から乗り場へとなるからです。そうしないと、効率約、経済的なサービスを提供することが難しいそうです。

モイアがこのプロジェクトのために車両とドライバーを提供することになりますが、アプリも車両も、全てがまだ開発中です。実験がうまくいけば、ハンブルク市内で200台の車両を配置し、さらには事業を全国に展開することになるそうです。

この新しいサービスを通して、市が公共交通をより多様にし、マイカーから乗り換える人を増やそうとしています。その結果、混雑や自動車による環境負荷が減る望みです。

自動車のステータスシンボルとしての価値がどんどん下がっていく最近は、ドイツの自動車メーカがますます「サービスとしてのモビリティ」に着目してきました。各社が自動車を売る代わりに、トリップを売る動きを見せています。フォルクスワーゲンだけではなく、他社もそうです。例えば多くの大都市で増えているフリーフローティングのカーシェアリングの背景にあるのはBMW(「ドライブ・ナウ」)やダイムラー(カー・ツ・ゴー)です。

個人的な感想ですが、本当にうまくいくかどうかはちょっと不安です。競争相手がどちらかというとタクシーや公共交通ではなく、Uberのようなサービスで、さらには自動車を提供するビジネスモデルです。しかし、これでは本当にうまくいくのかな?一方、港湾内など、公共交通もタクシーも不便なところがまだあります。例えば、数年前には日本から訪問した二人とハンブルク港内の運送会社を訪問しました。路線バスが朝晩しか通らないが、「遠すぎる!」と、何台かのタクシーに断られました。この新しいサービスがあったら、助かったのかな?


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自転車と自動車
自転車と自動車

2017年4月20日(木)
自転車が財政的に有利が、自動車交通への補助が手厚い:カッセル大学の研究

カッセル大学の交通計画・交通システム学部が発表した研究結果によりますと、自転車交通が市町村の財政に一番有利ではありながら、自動車交通に関する支出が相変わらず他の交通手段と比べて手厚いようです。原因は公共の被害と個人の利害を区別しないなど、不適切や自動車交通の促進にバイアスを持っている由来の経済性計算方法などにあります。

その一方、この研究が自治体を一つの経済単位と見なし、交通に関する収入と支出を整理しています。このような生産方法がまだ存在しなかったので、公共が税金からまかなう備費、運用費や維持管理費を今まで交通手段別に整理できませんでした。

カッセル大学が考案した新しい計算方法が市街地内の道路に関して、市町村の支出と収入を歩行者交通、自転車交通、自動車交通と公共交通、4つの交通手段別に整理するものとなっています。費用が道路の整備と維持管理、信号機の整備と制御、道路清掃や緑化など、市町村が一般的に担う費用を含む他に、公共交通の乗車券販売や駐車料金などから発生する収入を計算に入れています。さらには、各交通手段が必要とする道路面積が計算に入ります。その一方、環境影響や健康影響など、数値化しにくい外部不経済や連邦の予算から支払われている高速道路がこの計算に入りません。この新しい計算方法の結果、「住民1人当たりの補助金」と「道路面積当たりの捕縄金」を計算でき、さらには各交通手段別の「補助率」を計算できます。

2009~11年の間に、大学がこの計算方法をカッセル市、キール市とブレーメン市で実験しました。いずれの都市においても、自転車交通に関する支出がその交通分担率と比べて一番低く、自転車が市にとっては一番有利な交通手段となっています。その一方、自動車交通に関する支出がその交通分担率と比べて一番高く、最低でも自転車交通への支出の10倍を上回っています。また、公共交通の予算が自動車交通に注がれている金額よりも大きいが、運賃収入などもあるので、総額が自動車と比べて低いそうです。例えば、ブレーメン市が年間1.6億ユーロを交通に注ぎ、その54%が2010年に自動車交通、37.8%が公共交通、5.4%が歩行者交通と3.2%が自転車交通に注がれていました。費用がどの程度収入でカバーされているかというと、公共交通の場合は費用の62%に対して収入がある一方、自動車交通に関しては費用の19%に対してしか収入がありません。人口1人当たりの補助金額が156.1ユーロ(自動車)、115.0ユーロ(公共交通)、16.0ユーロ(歩行者)と9.3ユーロ(自転車)となり、1人当たりの移動距離1キロ当たりの補助金額が0.036ユーロ(自動車)、0.069ユーロ(公共交通)、0.058ユーロ(歩行者)と0.010ユーロ(自転車)となっています。

そうしますと、市町村にとっては一番経済的である交通手段が自転車で、その次が歩行者と3番目が公共交通で、一番不利なものが自動車となっています。研究チームによりますと、ドイツ各地の都市で同様な結果が出ることを想定できます。

なお、調査対象の3市の交通分担率が以下の通りとなっています。

連邦交通・デジタルインフラ省が補助した研究の最終報告書がリンクカッセル大学のウエブサイトからダウンロードできます(pdf、ドイツ語のみ)。


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高速道路
未来の交通?ハンブルク市の自転車パレードで高速道路を走る自転車。次の自転車パレードは今年の6月18日。

2017年4月15日(土)
自動車の登録台数が増えても、自動車交通量が減っていくハンブルク市

今朝、「アーベントブラット」と言う地方新聞のページをめくったら、面白い統計に出会いました。ハンブルク市内の交通量統計です。

自動車の市内の登録台数が2011年の72.6万台に対して、現在の77.1万台に増加はしましたが、市内330カ所で情事に数えられている自動車交通量が同期間の間にやや減り、今の自動車交通量が2011年の99.5%となっています。交通量がどこで特に減っているかというと、中心市街地の地区内道路と幹線道路です。しかし、通勤者が使う大きい幹線道路でも交通量が減っている路線もあります。

同時に、公共交通の利用者と自転車が増えています。公共交通事業者によりますと、公共交通の利用者が2011年の年間7億人弱から、昨年の7.7億人に上りました。また、自転車を常時に数える地点がまだ少ないが、定期的に数える地点では、自転車交通量が2011年~2016年の間に+56%と、大きく増加率でした。もちろん、市内の200以上のポートに2450台の自転車を用意しているバイクシェアリングが自転車の交通量に大きく貢献しますが、どちらかというと「普通の自転車」の増加率が目覚ましいようです。2008年の自転車交通分担率が12.2%すが、それより新しい数値はありません。しかし、今の連立政権が2020年代までに25%を目指しているのですが、総延長240キロの14の自転車の幹線ルートを中心に、自転車交通インフラを本格的に改良する取り組みが始まったので、この目的に達成することが案外可能ではないかと、私が思っています。そういうことでは、全国で不定期的に行われている次の交通分担率調査が楽しみです。

なお、市内の道路総延長が約4000キロ、そのうち550キロが幹線道路となっています。地区内道路の多くが住宅街にあり、そのほとんどがゾーン30となっています。自転車道の総延長が560キロでほかの都市と比べて長いではありますが、そのほとんどがかなり古くなり、今の基準を満たしていないのは市の自転車政策の一つのきっかけでした。Sバーン軌道の総延長が147キロ、地下鉄が104.7キロです。市内の最大のバス事業者であるホフバーンがさらに総延長920キロ以上を走る111のバス路線を抱えています。

ハンブルク州の人口が179万人で、面積が755.3平方キロです。面積が2011年と変わりませんが、人口が171万人からかなり増加しました。市の面積の約10%が港で、8%が水面です。12%弱が交通要地となっています。

人口が増えても、面積が増えないので、場所をあまり食わない自転車には大きなメリットがあります。走行する空間だけではありません。1台を駐輪するためには、1.2平米が必要ですが、自動車1台を中さするためには12平米が必要です。なぜこんなに広いか?止まる場所だけではなく、駐車場に入るための空間も必要であるからです。

以上の記事を読んで、「なるほど」と思いました。自転車がますます増えていくのも実感したことあるし、電車がますます混んでくる実感もあります。そして、先日は市内の渋滞の写真を撮ろうとしましたら、歩いても、歩いても道路が案外がらでした・・・。


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バスと自転車
ハンブルク市内でもますます人気のある公共交通や自転車での通勤

2017年4月12日(水)
連邦環境局意識調査:多くの通勤者が自動車を離しても良いと思っています

連邦環境局の調査によると10万人以上の都市でクルマで通勤をする人の61%が公共交通、自転車や徒歩への乗り換えを想像できます。もっと小さい都市においては、その割合が5割弱です。自転車への乗り換えが特に大きいポテンシャルを持っているようです。さらには、大都市では特に公共交通やカーシェアリングが魅力的とされ、地方都市ではマイカーの相乗りが魅力的とされています。

現在は、ドイツ国民の7割が定期的にクルマに乗り、そのうち37%がクルマを毎日乗っています。毎日や週に数回歩く人(61%)、自転車に乗る人(32%)や公共交通を使う人(21%)よりはやはり車を使う人がまだ多いようです。しかし、その多くが特に人口2万人以下の市町村に暮らし、10万人以上の都市では公共交通や自転車に乗ることが多く、自動車を定期的に使う人が53%にすぎません。

たびたびクルマに乗る人としては、特に収入が高い人(その8割前後)と、貧困層の人(その75%)が目立ちます。若い人や「意識が高く、クリエーティブな人口」に属する人の自動車離れが一番進んでいます。

もっと歩くためには、多くの人が歩ける距離にある店舗、医療機関や職場を望んでいます、さらには、以下の希望が出ました。

定期的にクルマを使う人の3分の2が自転車への乗り換えを想像できますが、自転車交通に関する要求も多いようでした。

公共交通への乗り換えに関しては、特に以下の要望が大きいようです。

つまり、交通政策だけではなく、リンク持続可能な都市発展とコンパクトシティの実現が問われています。「あなたの住んでいる街の都市建設が変わってほしいか」との問いには、回答者の8割が賛成しています。強く賛成している人の内には、特にすでに乗り換えった人、女性、高齢者、教育水準の高い人や「意識が高く、クリエーティブ」層に属する人が多くいます。

なお、ほとんどの人が運送の改造(大型トラック交通を減らし、貨物列車運送を増やすこと)や住宅街の交通静穏化を支持していますが、特に男性が市街地内の速度制限に反対することが多いようです。それでも変わる都市交通が特にバイクシェアリングや電動アシストの自転車のインパクトを受けています。電動アシスト自転車が特に収入が高く、年齢が高い人にとって魅力的で、2015年には53万台が販売され、電気自動車の販売台数を大きく上回っています。リンクカーゴバイク、3輪自転車やハンドバイクなどに関する体験を持っている人がまだ少ないが、自転車の多様化とともに交通量が今まで推測された増加率を大きく上回ることが可能と、報告書が指摘しています。

連邦環境局が2年に一回、環境意識調査を実施しています。本日公開された結果が昨年の聞き取り調査から得られたものです。

現在のドイツでは、特に世界各国の海にたまるプラスチックや森林の伐採に関する意識が高く、省エネや再生可能エネルギーの開発、資源の保全や廃棄物を削減する要求が浮き彫りになっています。国内の消費に関しては、特に再生可能エネルギーや農作品の薬害と食べ物の安全などに関する意識、さらには社会均等に関する意識が特に高い。環境保全の結果として期待されている利益が特に国民の健康の改良(回答者の84%)、質の高い暮らし(81%)や自然への親近感(76%)です。


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バスと自転車
ハンブルク市内でもますます人気のある公共交通や自転車での通勤

2017年3月23日(木)
「自転車に優しい雇い主」の指導と認証

EUにより補助されているプロジェクトとして、ADFCがその「自転車に優しい雇い主」の指導・認証制度を改新しました。EUのプロジェクトであるので、欧州各国の特徴が若干あっても、企業の評価が今後、欧州全域で共通するようになっています。

指導と評価が三段階のプロセスからなっています。企業がまずオンラインの自己評価を行い、自転車の健康効果などの便益に関する情報を入手し、さらには各企業で割合に簡単に実現できる自転車促進策を確認できます。もうちょっとがんばりたい企業がADFCに連絡し、指導を依頼できます。さらには、「金」、「銀」及び「銅」、三段階の認証が可能です。

ウェブサイトを通しての情報収集と自己評価は無料ですが、評価員が現地に出かける指導と認証が有料です。値段が企業の職員数により異なり、認証の有効期限が3年です。その後にはオンラインの更新が一回可能で、6年が立ちましたら、品質を保つための再認証が必要となります。ADFCがさらに、リンクモビリティマネージメントを行う企業を紹介できます。

認証を受けるためには、企業が評価の際に、以下の6つのテーマに関して、それぞれの最低点数を得る必要があります。

職員が自転車で通勤すると、企業が実際に大きく得します。病休が減り、満足度と生産性が上がり、企業の周りの渋滞が減り、事業が駐車場に注ぐお金を節約でき、さらには自転車通勤や出張などの自転車利用が企業のCSR(社会的責任)事業の一部として評価されます。

なお、指導と認証を行う人の教育が今月の上旬にベルリン市内で行われたが、ハンブルク市内の評価員が2名で、私がその一人です。全国各地の人が20名前後集まり、2日間の集中的なトレーニングを受けました。大変充実した時間を過ごしましたが、皆でへとへとでした。新しい資料やウェブサイトが今月末に完成する予定です。そういうことで、現段階では、皆で四方八方に情報を流し、指導を受け、評価を受ける最初のお客様(企業)が声をかけてくれるのを待っている状態です。

わくわく!


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ゴミ焼却所
地方のサイクリング

2017年2月21日(火)
ゴミ焼却所のリサイクル

1973年に開業した、ハンブルク市内で一番古い現役のゴミ焼却所がゴミとなってしまいました。60年代から80年代、「消費が美徳」と言われた時代に山のように発生したゴミ。ドイツ統一の結果、旧東ドイツに輸出されたゴミがさりげなく戻って、焼却所の開発が盛んだった80年代後半。同時に、一般市民や専門家の環境意識が高まり、ゴミの分別やリサイクルが美徳となった80年代と90年代。包装物の回収システムのグリューネ・プンクトが導入され、プラスチックのリサイクルが本格的に発達したた90年代の前半。

この歴史の結果、ハンブルク市内にある焼却所の要領が今、かなりオーバーとなってしまいました。ゴミそのものも変わり、ゴミの持つエネルギーが1970年代当時の6.3KJ/kgから12KJ/kgにほぼ倍に増え、ゴミ焼却の温度がだいぶ高まった。古い施設が構造上に、この温度差に対応できない部分があります。その結果、一番古い焼却所であるシュテリンゲン地区の焼却所出、市の清掃局が100%所有しているものを根本的に改造することになっています。今解体される焼却所の営業停止が実は一昨年、2015年の夏でした。開業から閉業の間には、この焼却所がハンブルク市内及び隣接するピネベルク郡とゼーゲベルク郡の家庭ゴミを700万トンほど焼却した実績が残ります。

焼却所の解体とリサイクルというと、二つほどのアプローチがあります。その一つは建設財のリサイクル、もう一つは場所のリサイクルです。

建設財というと、特に鋼など、リサイクルできる金属が注目されていますが、長年たまってしまった毒物もありますので、慎重に調査分析し、施設を慎重に解体する必要があります。その結果、施設の解体に時間を使うことになっています。

場所のリサイクルというと、焼却所としての営業許可を持ち、1997年に地域暖房と繋げられた土地で、ゴミ収集車などの使うインフラが発達している場所をゴミを資源として使ったエネルギー製造に回すことです。地域暖房へのエネルギー供給がが将来、この施設の主な課題となります。家庭ゴミや市内で発生する廃木などを発酵させ、バイオガスを製造し、地域暖房にエネルギーを提供することになっています。その結果、これからどうするかは議論中の古い火力発電所を一つなくすことではないかと言われています。この発電所が今、コゼネレーションで電力と地域暖房の熱を作っています。新しい施設ができると、熱を地下の温水タンクや深い地下水の層に保管することが検討されているそうです。

この焼却所の改造が成功すると、市内のエネルギー消費から発生する環境影響が減ることが期待されています。


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地方のサイクリング
地方のサイクリング

2017年2月15日(水)
ハンブルク都市圏が高速自転車道のネットワークを目指す

ハンブルク都市圏がリンク高速自転車道のネットワークを整備しようしています。このプロジェクトの第一段階として実施されたポテンシャルのスタディが昨年末に完成したばかりですので、着工までには、後2、3年かかると想定できます。

この最初の段階では、手を挙げている市町村から、ハンブルク都市圏のワーキンググループが高速自転車道をどこで整備するべきかのアイデアを集めて整理しました。その結果としては、総延長約750キロの33の「通路」が確認されました。「通路」とは、やはり具体的な道のことではなく、みちを通すべきと思える地帯のことです。幅約7キロのこの通路内の人口、職場や学校などを確認し、居住者の通勤通学がどれぐらい便利になるか、高速自転車道の簡単なポテンシャル分析を、ハンブルク工科大学の専門家が行いました。

これらの「通路」を代表し、ハンブルクの北西にあるピネベルク郡が第二段階として、かなり細かく、具体的な実現に向かうスタディを行うことになっています。その予算などがすでに反対意見無しにピネベルク郡議会で可決されました。このスタディの対象となる通路がハンブルク市とエルムスホルン市を結び、延長32キロのものです。ピネベルク郡の人口密度が都市圏内の他の郡と比べて高いので、住宅も、職場も、教育施設もが沿道で集中しています。また、この通路がピネベルク市とハンブルク市を結ぶSバーンと平行するので、距離の遠い通勤者通学者が途中まで自転車で移動し、好きなところで公共交通に乗り換えることがでることがこの通路の魅力と思われています。

しかし、ハンブルク市内にも注目されている通路があります。ハンブルクの都心から南に向かう地帯で、現在は高速道路として使われている地帯です。この高速道路が住宅街を分断するので、その移転が2008~13年に開かれた国際建設博覧会リンクIBAハンブルクできまりました。高速道路の代わりに、ヴィルヘルムスブルク地区の中心で住宅を開発することになっていますが、都市に近い土地で住宅とともに自転車の交通インフラを開発できることが大きな魅力とされています。この高速自転車道がさらにハンブルクの西南部を通し、シュターデ嶋で延びるので、ハンブルクの南西部で開発中の住宅地のアクセスを確保する一つのみちになる見込みです。

ハンブルク都市圏が水準の高いインフラを目指し、幅員が4m、アスファルト舗装の自転車道が予想されています。交差点での速やかな移動を確保するためには、それなりの信号制御、橋梁やトンネルが整備できます。詳細はまだ決まりませんが、整備基準がリンクノルトライン・ヴェストファーレン州の高速自転車道に関する整備基準を参考にするそうです。

最初からは、コミュニケーションが計画整備に伴い、重要な課題として認識されています。みちそのものの魅力が宣伝になるとはいえるが、市街地が密集しているほど、高品質のみちを新たに確保することが困難です。その結果、他の道路利用との調整が必ず必要となり、住民や沿道空間の利用者とのやりとりが必要になります。このプロセスを支援するためには、情報を提供し、プロジェクトのメリットを説明するコミュニケーション戦略がこのプロジェクトの一つの重要な柱とされています。

ハンブルク都市圏が高速自転車道に興味を持つ理由がいくつかあります。通勤時間帯に慢性的に混雑する都市圏の道路と公共交通の交通量を緩和することがその一つです。途中の駅まででいいので、自転車通勤の魅力を高め、人の乗り換えを促すことが大きく期待されています。さらには、運動不足いサラリーマンなどの健康意識が高めてくる中で、日常生活の中で気軽に運動できる環境を揃える目的があります。さらには、通勤通学だけではなく、観光もあります。特に、ハンブルク市から自転車に乗って周辺の街を辿る人が増えるのではないかとされています。自転車のショートトリップが今でも大変人気ですが、自転車を電車やクルマで郊外まで運ぶ必要があるので、めんどくさい側面もあります。さらに言うまでもありませんが、CO2を排出しない、自動車と比べて広い空間と複雑な整備を必要としない自転車の日常的な利用を促し、交通の環境影響を減らす目的も関連する市町村郡に挙げられています。

ハンブルク都市圏が17の郡及びハンブルク、リューベックとノイミュンスター、郡に属しない3都市からなり、4つの州にまたがります。人口がおよそ500万人、面積が約2万4千平方キロとなっています。通勤通学が多い地域となっているので、この都市圏の市町村が地域開発などに関して協力しています。

都市圏の自転車高速道路に関する記者会見が今日、ハンブルク州の経済・交通・イノベーション省で開かれました。


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地方都市の公共交通
地方都市の電車(撮影:Smiley.toerist*

2017年1月3日(火)
相乗り仲介が地方の公共交通を補う

大都市の公共交通が発達しているので、クルマがなくても不便がありません。人口密度が低く、公共交通やカーシェアリングが発達していない地方はそうはいきません。一方、高齢化とともに、年や病気のために運転できない人が特に地方において増えていきます。しかし、地方の公共交通、タクシーと(人の車への同乗である)ライドシェアリングを組み合わせて、何とかたどり着く場合があります。

そこでは、ハンブルクに隣接する、人口27万人弱、面積1,345平方キロで、95の市町村を含むゼーゲベルク郡が新しい取り組みを議会で可決しました。スマホのアプリを通してのライドシェアリングネットワークを立ち上げることが目的です。郡内の市町村がこの取り組みのパートナとなり、標識とベンチのある停留所を用意し、新しいサービスを宣伝することになっています。市町村の反応が良く、いくつかとの協定がすでに結ばれているそうで、さらに興味を示しているる市町村も数多くあるようです。

郡内のライドシェアリングが成功するためには、登録者の数を増やすことが肝心です。このアプリには、利用者や提供者、あらゆる人が登録できます。つまり、「いついつ、AからBに行きたい・・・」との問い合わせる人だけではなく、「クルマでAからBに行くので、同乗しませんか?」と、手を挙げる人も必要です。

スマホがまだ高齢者の間にあまり普及していない恐れがありますので、リンクモビリティ案内所をかねて、電話で問い合わせる窓口も設けられます。当初は週に3日のサービスとして予定されているようで、日数を少しずつ増やす予定があるそうです。

この取り組みに関する郡の予算が年間41.000ユーロ(約500万円)で、この金額を主にポータルサイトの作成と維持管理及び専門家による宣伝に使うことになっています。アプリの作成が年末に欧州各国の企業を対象に公募してきました。

うまくいくと、面白いと思いませんか?


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最終更新:2018年1月5日
© Susanne Elfferding. All rights reserved.

集合タクシーの写真外部リンクウィキメディアコモンズ外部リンク写真に基づきます。 撮影:Busbahnhof。 ライセンス:Creative Commons 外部リンクCC-by-sa 3.0地方都市における鉄道の写真外部リンクウィキメディアコモンズ外部リンク写真に基づきます。 撮影:Smiley.toerist。 ライセンス:Creative Commons 外部リンクCC-by-sa 4.0