ドイツのモビリティマネージメントがところで、アメリカのTDMと異なって、通勤だけではなく、遊びや買い物を含めて、あらゆる移動に着目し、人の交通習慣を変えようとしています。そのためには、二つのアプローチがあります。市町村や地域が情報を提供し、公共交通、カーシェアリングや自転車など、自動車以外の交通を便利にしようとしているトップダウンのアプローチがあります。さらには、企業や学校が通勤や出張などの際に自動車に乗らないインセンティブを出し、いろいろな取り組みによるボトムアップのアプローチがあります。
道路が混雑するので、道路をさらに整備する政策がイタチごっこで、問題解決に至りません。道路を整備すしても、交通問題が解決しません。自動車がさらに便利になって、交通量と渋滞が増えるばっかりで、道路整備費や道路の維持管理に必要な予算の不足、自然環境や人間の健康への負荷など、問題が後を絶ちません。
このことに少しずつ目が覚めてきたドイツでは、モビリティマネージメントがますます注目されてきます。人の移動習慣をなるべく変えて、自動車への依存を減らし、持続可能で、環境に優しい交通を形成することが目的です。モビリティマネージメントが要するに徒歩、自転車利用、カーシェアリングやバイクシェアリング及び公共交通を促進させ、コミュニケーションや情報提供を通して、マイカーに頼らない生活習慣を可能にしようとしています。
内容
市町村や地域 ||
企業や学校 ||
ベストプラクティス事例
市町村や地域のモビリティマネージメントが、公共交通や自転車などに関する情報を住民に提供することが中心となっています。生活習慣がどうせ変わるので、引っ越してきたばっかりの人に声をかけることが特に効率高いと言われています。
ニーデルザクセン州にある、10都市からなっているのヴェヒタ郡(人口13万人、面積812平方キロ)が郡内の市町村とともに、地域内のモビリティ問題を分析し、解決計画を作成しました。全ての住民に魅力的な公共交通を提供し、新しいモビリティ文化を設立することがこの政策の目的で、高齢化が進んでいる地方として、「モビリティが社会参加の元」であるとの考え方がその背景にあります。主な政策はもビリ提案内所の設置、公共交通,企業関連の交通は配送車両を束ねること、面的な乗り換え案内、病院とのダイヤ著性などを含みました。ヴェヒタ郡のこの取り組みが2010年にドイツエネルギー機構(dena)の「賢いモビリティ」銀賞を受賞しました。
既成概念にとらわれない問題解決策がこのプロジェクトの特徴です。行政が普段、公共交通や自転車炊きに注目しますが、ヴェヒタ郡では、公民を問わず、様々の交通手段と様々の目的地を結ぶことが見事です。その結果、たとえばスクールバスや企業の通勤バスなど、普段は公共交通と見なされていないものと、時刻表のない、オンデマンドのバスを組み合わせることができ、行動範囲が広がります。公共交通を補い、ドア・ツー・ドアの移動を可能にするためには、自転車交通の促進や相乗り仲介サービスの拡大なども重視されています。これらのサービスを使う人が楽にマイカーから乗り換えることができる用に、駅やバス停などの乗り換え拠点を改良し、公共交通やタクシーなどで使える共通の電子マネーを導入することにもなっています。
ドイツの公共交通が通学に関する補助金に頼ることが多いので、地方における少子化高齢化社会が非常に大きい課題となっています。新しい財源を開発することは困難で、ヴェヒタ郡が民間企業や医療センター、飲食店や小売店舗などと相談し、公共交通のために得するものにある程度の費用負担をお願いしています。こんなことを考えたのは、プロジェクト担当が交通制作部ではなく、経済振興・郡発展局に有るからではないでしょうか。
朝晩の通勤ラッシュが企業にとっても不利なものです。自動車で通勤する人がいらいらし、集中力が落ちていると言われています。朝からのストレスが体にも良くありません。運送会社など、トラックを走らせる企業が自分の職員が起こす渋滞に悩まされます。幅広い駐車場を用意する土地の費用や建設費が馬鹿になりません。また、学校の場合は職員の通勤だけではなく、他の子供の安全を脅かすママタクシーもあります。
これらの問題を自力で解決できる意識がまだあまり発達していませんので、たとえばミュンヘン市の労働・経済部が企業のモビリティマネージメントを支援するサービスが2003年に発足しました。
このサービスの内容がとても充実しています。10ヶ月の間に、興味のある企業が4つの無料のワークショップに参加し、さらには専門家による4回の企業訪問を受けます。このサービスを受けるためには、企業のトップマネージメントが事業を支援し、窓口と責任者を氏名する必要があります。お金に換算できる効果を出すためには、このサービスが職員50名以上の企業に限られています。
企業が得するメニューがたくさんあります。例えば、省エネ運転のトレーニング、ある程度の出張の代わりに電話会議を行うこと、CO2胚珠ル長の削減が企業の環境影響軽減に繋がること、徒歩や自転車で通勤する人の健康が良くなり、病休の日数が減るなどです。しかし、経営コンサルタントがほとんど無視している分野ですので、交通コンサルタントや都市建設コンサルタントが活動する分野となっています。
最終更新:2017年2月17日
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