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路子ブログ*

(*鉄道の好きな女は「鉄子」なら、道路に興味のある女は…?)


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高速道路の工事
高速道路の工事

2014年7月16日(水)
PPPがうまくいかないわけ

連邦会計検査院が行った研究の結果、行政がPPP(官民パートナシップ)の形で民間企業に渡す道路整備プロジェクトが高く付きます。今まで完成した6区間の高速道路におけるPPPプロジェクトの内、5区間が予測より高くつきました。その結果、国があわせて19億ユーロほど損したことが明らかになりました。たとえば、ハンブルクとブレメンを結ぶ高速道路A1号線の修復工事がPPPのために40%ほど安くなる見込みだった一方、工事が実際に予測より28%高くなりました。国がお金を借りる際の利子と民間企業がお金を借りる際の利子が大きく異なるので、値上がりの主な原因が工事費ではなく、金融費用です。さらには、情報収集、公募、契約の作成や管理など、行政側で発生する負担が大きくなります。

発注にも問題があります。PPPを発注する前には費用便益調査を行い、PPPが由来の発注より安くなることを示さなければなりません。しかし、道路の寿命における交通量や道路料金収入を計算することが困難で、計算の結果が統一しません。道路料金の収入が企業の期待を下回った場合は、企業が国からさらなるお金を受けないと、倒産しますので、リスク回避のために企業がなるべく大きい金額を求めることが当然です。そもそも、企業が道路の全寿命を視野に入れず、自分が道路を管理する期間(多くの場合は30年)の収益拡大に集中します。この期間が終わってから大きな修復工事が発生すると思えますので、国がその結果として損すると思えます。道路料金の収入が連邦の期待を上回った場合も、国が損します。

リスクが大きい一方、PPPから発生するメリットが少ないと、連邦会計検査院が指摘します。大きな道路整備の前に必ず行う計画確定手続きの規定が細かく、工事を工夫し、工事期間を短くし、全部を安く仕上げる余地がほとんどありません。

問題が他にも議論されています。道路料金収入が一定の期間に企業の懐に入りますので、国がいわば将来の収入を売り、将来の予算を減らします。負債問題の解決がその結果、後回しになります。モビリティが将来、どう変わるかがわからないままに今のインフラに将来のお金を注ぐのは妥当かどうかの問題が指摘されています。なぜなら、財源が少ないので、将来の世帯が今の道路整備からっ発生する問題を緩和できなくなってしまうからです。

さらには、中小企業へのデメリットが批判されています。中小企業が本来、工事や建設に多く変わってきたが、そのほとんどがPPPの膨大なプロジェクトに応募するノーハウも、人手も、予算もありません。応募資料の作成やリスクマネジメントが特に困難であるが、他分野の専門性をそろえるために他の中小企業と協定を結ぶ必要があることも多いです。中小企業にとっての手間とリスクが大きいので、ほとんどのPPPプロジェクトが大手企の手に渡ります。ドイツのは大手のゼネコンが6社ありますが、それらが中書企業に作業などを発注するケースもあります。しかし、その場合は値段の競争が激しく、中小企業の立場が非常に弱いと、バイエルン州の手工業会議所が指摘しています。

ところで、PPPがドイツでも道路整備に限りません。市町村のプールや学校などの公共施設なども対象となります。その際にも、市町村へのデメリットが指摘されています。発注する市町村行政の職員が様子を判断しきれないので、コンサルタントが間に入ります。しかし、ほとんどのコンサルタントの目的がPPPプロジェクトの成立(つまり自分の今後の収入の確保)で、コンサルタントがそもそも「公共が行う事業が非経済的」という立場に立ちます。その結果、コンサルタントが作成する資料の信頼性が低いこと、各州の会計検査院が2011年に指摘しました。さらには、コンサルタントが実施する企業の工房をさけ、系列の企業への発注を重視することが指摘されています。

ドイツが2003年にPPPに乗り出し、まずは各州のガイドラインが作成されました。連邦道路に関しては、PPPの方法を二つほどあります。一つの方法では工事を丸ごと民間企業に渡し、行政が工事の対象となった道路区間から発生する大型車の道路料金を30年間、企業に渡します。多くの場合は、工事が始まる前に一定の金額をさらに企業に渡すことになっています。この方法が最近、負債を隠す方法として批判されるようになりました。

もう一つの方法では、企業が工事だけではなく、一定期間における維持管理を担うことになります。その場合は、企業が全ての道路利用者から料金を徴収できます。しかし、この方法が橋梁、トンネルや峠などに限り、実施事例がほとんどありません。


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ヴォルプスヴェーデ
ヴォルプスヴェーデのミニ写真種。上から下:▶昔は泥炭を運んだ船をロゴマークにした郡▶沼地の際自然化▶初めて見た道路沿いの泥炭販売▶「トイフェルスモーア」の悪魔▶畑に最多コーン・フラワー▶伝統的な家。

2014年7月7日(月)
サイクリング

イースターのサイクリングが今年、大雨のために中止になりました。

その代わりに、初夏に友達と6人で自転車に乗り、ブレーメン付近のヴォルプスヴェーデに出かけました。ヴォルプスヴェーデとは小さな街ですが、100年頃前にアーティストが集まった村ですので、割合に広く知られています。

19世紀末のアーティストにとっては、この土地が非常に魅力的であったことが想像できます。貧しい農地、不気味な沼地や粗い気候が当時、「ロマンチック」と思ったのは有名な話です。産業革命とともに都市化が猛スピードで進む中で、素朴な暮らし、自然に密接したハードな仕事や静かな毎日があこがれの世界となったわけです。

今のヴォルプスヴェーデが全く違いますので、びっくりしました。当時の小さな芸術家村が忙しい観光地に生まれ変わり、沼地が干拓されてきました。

しかし、少し足を伸ばすと、全く違う世界でした。自転車がやはり探検にいいですね!

ヴォルプスヴェーデ周辺の農村と風景が眠り姫状態で、とても魅力的でした。沼地が多い地帯で、少し不気味な世界を楽しむことができました。長年、泥炭を作るために大きく破壊されてきた多くの沼地が近年、自然保護の対象となり、再自然化が進んでいきます。

ところで、ヴォルプスヴェーデの沼地が「トイフェルスモーア」、日本語に直訳すると「悪魔の沼」と言いますが、悪魔との関係が実は無く、語源が「作物が育たない土地」の方言だそうです。ブレーメンの北部にある沼地の開拓が18世紀に始まったが、開拓者の生活が本当にきつかったそうです。「1世代が死に、2世代が苦しみ、3世代がパンを得る」ということわざが残っているのは偶然ではないでしょう。それでも粘り強く暮らしてきた人間が、どんなに厳しい生活環境から来たのでしょうか。今の人には想像できないでしょう・・・。


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火の風見鶏
消防署の風見鶏。この地域では、赤い鶏が昔から火災のシンボルとなっています。

2014年5月27日(火)
「高齢化少子化社会が危険!」

・・・というのは言い過ぎでしょうか?そうではありません。数カ所の大都市を除いて、ドイツ各地の消防士がボランティアです。大都市を除いて、市町村長がボランティアです。市町村の議員がボランティアです。消防士のみでいうと、ドイツ全国のボランティア率がなんと、95%を超えています!

しかし、ボランティアを集めることがますます困難になります。消防士の社会的な役割が大きく、「信頼できる」、「便りになる」と、消防士の評判が優れています。それでも、消防士になろうとする人の数が少しずつ減っていきます。住んでいるところと仕事をするところが離れすぎて、いつでも消防活動に参加できない人が増えていきます。地方でも、子供や青少年の数が減っていきます。若者が楽しく遊べるところが同時に増えていきます。

全ての子供が赤い消防車に憧れます。そのためにはなるべく若い子供達の興味を引く動きがハンブルク市の南にあるニーデルザクセン州の消防隊で活発になりました。7才以上の子供が遊びながら消防士の生活を味わえる初の「子供消防隊」が1996年にハノーファーの近くにあるゲールデン市レベステ地区で設立されました。その後は、州内の「子供消防隊創立ブーム」が広がりました。男女を問わずに、6才~12才の子供が参加できる「子供消防隊」の数が現在、州内各地において950を超えたそうです。

子供がもちろん大人並みに火を消すわけにはいけませんので、火を消す訓練もありません。むしろ、遊びながら火事や交通安全などに関して勉強し、子供の社会能力を伸ばし、消防士の仕事に関する興味を育てることが目的です。また、子供が参加すると、親がボランティアに興味を示してくれる場合もあります。

ニーデルザクセン州の消防団体に属する「青少年消防隊団体」が2010年に「子供消防隊専門部会」を設立し、教材や教育のガイドラインなどを作成するようになりました。さらには、子供消防隊の教育者を養うコースが設立されました。

さらにはいくつ化のルールが指定されています。子供のために統一したTシャツを用意するおすすめがあるが、消防士らしい制服がありません。しかし、子供達がしっかりと組織に属し、州の「消防士事故保険」の対象になりますので、親が安心できます。10~12才になると、子供が青少年消防隊に入ることができ、消防隊と親しみ続けることができます。青少年消防隊においてもスポーツや遊びが重視されていますが、消防の教育も行われています。(州によっては詳細な規定が異なりますが、)16才以上の青少年が本場の消防活動を安全な場所で支援できます。

ところで、大人の消防士が主に男性です。女性が11%しかいないが、ハンブルク市とその周辺の地方ラジオ局がつい最近「女性のみが活動している消防隊」をダメ元に募集したときに、数カ所が出てきました。女性って、すごい!


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リンゴと風車
リンゴや桜の花が魅力的なアルテス・ラントがハンブルク都市圏内にあります。貴重な農地と建築遺産を川の洪水から守り、気候変動に強い果樹を育てることが過大となっています。

2014年5月22日(木)
地球温暖化に強い街、回復力のある街

世界の科学者や政府代表からなる「国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が今年の春に、地球温暖化に関する最新報告書を横浜市で発表した。20世紀末に比べて気温が2度以上上昇すると、生態系や気象などへの影響が大きくなり、食糧生産の減少や大規模な移住、紛争、貧困といった深刻な問題を引き起こすと指摘。

エルベ川の満潮干潮の差がハンブルク市内で3.6mほどあります。水位が上がっても、市街地を守る必然性をこの街で毎日実感できます。市内の堤防を高める工事が最近目立つのは、この実感から生まれてきた一つの対策です。

しかし、ハンブルク市と周辺の地域が連体し、長期的な対策をとることも必要です。そのためには、約1000の市町村を含むハンブルク都市圏が3月に地球温暖化に対応するロードマップを公開しました。今後40~50年後のシナリオと、最新の研究結果に基く地域内の地球温暖化対策がその内容となっています。「冷静な頭、ぬれない足」といったキャッチフレーズが洪水しやすい平地にふさわしいと思います。

今後の都市建設に注目した提案が数多くあります。街の風通しを良くし、連続的な緑地ネットワークを充実することにより、ヒートアイランド現象を減らす。雨水を街の冷却に使う。洪水が発生しやすい土地においては開発を禁止し、自然災害のハザードマップをベースに道路や鉄道などのインフラを設計する。農地を文化遺産とレクリエーション空間として強める。

考えてみると、大変当たり前のようなことに見えます。しかし、地域の連帯と協力を強めないと、実施がネックです。ハンブルク都市圏の人口がおよそ500万人、面積がおよそ2万6千平方キロです。四国の1.3倍ぐらいですが、地形が四国と異なって、平坦です。このロードマップを生み出した「KLIMZUG-NORD」のプロジェクトがこの地域で回復力のある都市を育てる温床を作ろうとしました。

自然科学、経済学や技術の組み合わせて、KLIMZUG-NORD(2009~2014)が気候影響の緩和に役立つ技術や戦略の発展を目指したプロジェクトです。連邦教育・研究省(BMBF)のプロジェクトで、ドイツ国内で7つのモデル地区が参加しました。大学、研究所、行政、企業などが参加し、数多くの博士論文や出版物が作成され、5つの横断的な課題が定義されました。具体的には「気候変動への対応」、「自然保護」、「経済性」、「ガバナンス」と「コミュニケーションと教育」です。


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ハンブルク港内の風力発電
ハンブルク港内の風力発電。手前は貨車。

2014年3月31日(月)
スマート・ポートと再生可能エネルギー

ハンブルク港湾公社(HPA)のスマート・ポートに関する二つ目取り組みが「スマート・ポート・エネルギー」といいます。本格的な開始が昨年でした。

2050年までに、ハンブルク市内で消費されるエネルギーの8割を再生可能エネルギーから得る目標が州政府により成立されました。しかし、ロジスティックスや工業の拠点となっている港湾が貢献しないと、この目的に達することが困難です。

港湾の企業や施設が貢献できることが実はたくさんあります。まずはエネルギー効率の向上です。

住宅と異なって、工場やオフィスの断熱や省エネ対策がまだあまり注目されず、あまり進んでいません。そのためには、スマート・ポート・エネルギーの一つの取り組みとして、市が企業のエネルギーマネージメントや省エネ対策に関する相談窓口を設置し、個別の政策を補助します。先端事例としては、港湾鉄道がリンクIBAハンブルクのプロジェクトとして、パッシブハウスの基準を満たすオフィスビルを港内で建設しました。

エネルギー効率の分野に関しては、産業団体の会員となっている企業が昨年の5月に28のプロジェクトを提案しました。照明器具の改新など、広く知られている諸エネ対策の他に、電車の発電ブレーキと同じようなシステムで、コンテナをおろすときに発電できるガントリークレーンの提案もありました。産業団体が提案したプロジェクトを実施すると、年間の電力消費を4300万kW/h減らし、温室効果ガスの排出量を4万7千トン減らすことになるそうです。

実際に動いている企業もあります。世界最初のターミナルとして、ターミナル内で消費される全ての電力をターミナル内で作る道を開くと、ターミナルオペレーターのユーロゲート社が昨年発言しました。ユーロゲート社がそのためにコンテナターミナルの敷地内で昨年に風車を1本建てて、もう一本が検討中です。同時に車両、ガントリークレーンや照明器具の省エネを考え、ユーロゲート社がターミナル内の電力消費をすでに12%減らすことができました。

スマート・ポート・エネルギーの二つ目の取り組みがやはり発電・発熱です。

工場や倉庫など、広い屋根にそーラパネルを設置する取り組みもあります。ソーラー廃熱を暖房や冷房に使うことができます。ソーラーパネルをどこに世知すると良いかの地図がすでにできあがっています。また、2015年までには、風車を7本増やすことが検討されています。さらに、堤防の維持管理などから発生するバイオマスを使って、港内でバイオガスを作ることができないかとのアイデアもあります。

3つめのテーマがやはりエネルギー貯蔵とモビリティです。

船や自動車を大きな蓄電池に使えるように、クルーズ客船への陸上電力供給や電気自動車のタクシーなどが提案されています。水素電池やLNGを使った船舶や大型トラックのパイロットプロジェクトもあります。不要な交通がそもそも発生しないように、リンクスマート・ポート・ロジスティックスなどの交通マネージメントが鍵を握っています。

ところで、スマート・ポート・エネルギーに関する発表が2015年にハンブルクで開かれる国際港湾協会(IAPH)の国際港湾会議で予定されているそうです。


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カットヴィク橋
船を通すために橋桁が持ち上がった昇開橋のカットヴィク橋(撮影:NordNordWest/Wikipedia*

2014年3月25日(火)
スマート・ポートと交通管理

「スマート・ポート」をテーマに、ハンブルク港湾公社のHPAが港内の交通管理と再生可能エネルギーの徹底的に実現する計画を持っています。最初のパイロットプロジェクトはスマート・ポート・ロジスティックスでした。

わずか5日間の港湾休日を除いて、毎日24時間動いているハンブルク港から発生する交通量が恐ろしい。船舶、鉄道とトラック。年間には910万本(TEU)のコンテナ。コンテナ船がますます大きくなるので、荷物をさばく能率が肝心です。今の最大のコンテナ船がコンテナを1万8千本載せられます。同じ量を運ぶには、貨物列車196本、バルト海に通るフィーダー船数十隻、または数え切れない大型トラックが必要です。

ハンブルク港が実は欧州最大の鉄道港となっています。港湾公社によると、2013年にはおよそ150万台の貨車を含む5万7千本の貨物列車が港湾鉄道の軌道を走りました。それでも、港内では、毎日およそ4万台の大型トラックが移動します。

おまけに、空間が限られています。港湾施設が中心市街地に隣接するハンブルク港の面積は、どうしても7200ヘクタールしかありません。面積を増やせないので、効率を上げるしかありません。

もちろん、船舶、鉄道と自動車、それぞれの交通マネージメントがすでに徹底しています。自動車交通の管理には、300カ所のセンサーと光ファイバーの通信ネットワークが使われています。今年中は、無線ランのアクセスポイントを増設することになっています。

船舶の管理システムが「ポートモニター」と言います。エルベ川とハンブルク港内で動いている全ての船が「港内・河川上交通センター」というところで管理されています。船の規模と特徴や速度と進路の他に、各地の水深や橋梁の桁下などの情報がポートモニターで管理されています。

それぞれの交通手段を結びつけるのは、「スマート・ポート・ロジスティックス」のことです。船舶、トラックと港湾鉄道だけではなく、船が近づくと橋桁が跳ね上がる跳開橋や、橋桁が持ち上げられる昇開橋などが同じシステムの対象となっています。

全ての交通手段と可動橋が同じテレマティックスシステムに入ると、無駄な待機時間や遠回りを避けられ、交通の流れが良くなる考え方です。ハンブルク市に近づくと、可動橋がいつ通行可能か、船のバースがどこになっているのか、大型車の駐車場が空いているのか、交通渋滞があるのかなどを、早めに把握できます。

大型トラックのドライバーが自分の位置と目的地に関連する情報をスマホやタブレットのアプリで確認できます。関係のない情報を除くためには、ジオフェンシングという技術が使われています。通関手続きや貨物に関連する資料を電子データとして受信できます。運送会社が同時に、荷物の行方をリアルタイムに把握できます。

3ヶ月間のパイロットプロジェクトがすでに2012年に完了しました。5社の運送会社が抱えている30台の大型トラックがこのプロジェクトに参加しました。

「スマート・ポート・ロジスティックス」がクラウドのITプラットフォームとなり、ハンブルクの港湾公社、SAP社とドイツテレコムの共同プロジェクトです。長期的には、同じようなシステムを港だけではなく、空港や貨物鉄道駅などにも実施できるそうです。


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住宅
家族の健康を望む子の絵(撮影:Thomas Duffé/SAGA GWG)

2014年1月30日(木)
クリスマスまでのカウントダウン

クリスマスまでの24日間をカウントダウンするカレンダーがドイツの伝統の一つです。小さな扉が24枚あるカードボードのものが多いですが、手作りのものや小さなプレゼントが入っているものなど、種類が様々です。季節感にあふれる色鮮やかの飾りと、(市販のものの場合は)1日一個空く扉の裏にある絵やお菓子が特徴です。「アドベントスカレンダー」と言うもので、主に子供のクリスマスの楽しみの一つです。

昨年の12月には、ものすごく大きいアドベントスカレンダーがハンブルクのオスドルフ地区で話題になりました。子供が透明のシートに書いた望みの絵と文字が特殊のプロジェクターを使って高層住宅の壁に映されました。発表された作品がもちろん毎日変わりました。

ハンブルクの市営住宅会社SAGA GWGが開いたイベントです。街区内に住んでいる子供(と数人の大人)がそれぞれの希望をマーカーで透明のシートに描き、文字と絵を使って楽しいデザインを作りました。24枚が必要でしたが、34枚が集まりましたので、子供と一緒に議論し、実際に使うものを選ぶことが大変だったでしょう。

「成績が良くない子供も上手く生きていけるように」、「人が苦しまないように」、「世界各国の皆が満腹になるように」、「世界平和」など、身近なものに関する希望も、全世界のことを考えた希望もありました。24日の絵がツリーとろうそくの絵で、「メリー・クリスマス」がドイツ語で書いてあった。自分の描いたスライドを見ることが子供にとっては特別な体験で、とても誇りになったでしょうね。

このイベントが開かれたオスドルファーボルンという大型の団地が1970年代前半に開発されました。人口1万人以上の団地です。大きい建物が20階建て、小さい建物が5、6階建てです。当時は先端的なものでしたが、最近は評判があまり良くなく、色々と社会問題を抱えている街区となっています。

70年代の大型団地が本当に難しいと思います。住宅が悪くないでしょうか、設備が古くなったことよりも殺風景が問題です。大型団地のほとんどが当時の郊外で建設されたので、公共交通が不便で、買い物などのインフラも不便です。市営の住宅会社が開発した団地には条件付きに住める福祉住宅が多く、低所得者や外国人居住者が多く暮らしてます。この問題が勉強になって、市が最近の開発で3割が福祉住宅、3割が普通の住宅、3割が高級のマンションなど、社会が偏らない開発を補助するようになりました。


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ゾーン30
こんな色になるまで、どれぐらいの時間がかかるでしょうか。

2014年1月17日(金)
ゾーン30が30になりました!

昨年の11月には記念するべき日がありました。残念ながら、記事を書くことは大変遅れてしまいましたのは、申し訳ございません。

1983年11月14日には、ハンブルク付近の地方都市ブクステフーデでは、交通の新しい時代が始まりました。ドイツ初のゾーン30が社会実験として導入され、「右方優先」の交通ルールがゾーン内で復帰しました。自動車のスピードを抑えるためには、さらにプランターが道路に配置されました。その結果としては、大混乱が生じました。

住民が大変怒っていました。スピードを出しすぎて、プランターに突っ込む人が相次ぎました。大事なクルマがでこぼこになりました。「行政に馬鹿にされている!」、「ドライバーの自由がどうなるの?!」、「こうなると、運転が楽しくないので自動車学校が皆つぶれちゃう!」など、感情的な反応が多かったそうです。

しかし、実験の結果としては交通安全が明確に良くなりました。交通事故の数が減りませんでしたが、負傷者死亡者数が劇的に減りました。安定した速度で走る自動車が増え、通過交通がなくなったので大気汚染がおまけに減って、住宅街が暮らしやすくなりました。

他の都市でも同様な実験が始まりました。ハンブルクの中心市街地に近い住宅街が大きく変わりました。ゾーン30の導入とともに多くの交差点が斜めに分断され、一方通行道路の迷路が生じました。いつものショートカットを使おうとして住宅街で迷子になったドライバーがいらいらしました。

1990年にゾーン30が正式的に道路交通規則に導入されるまでに、多くの実験や例外許可がありました。しかし、ゾーン30が今、ドイツ各国の都市においてはとても当たり前なことになっています。住環境が良くなったので、家賃が少し高くなったが、街が暮らしやすくなったので、ゾーン30が人気者になりました。


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最終更新:2015年12月31日
© Susanne Elfferding. All rights reserved.

カットヴィク橋の写真が外部リンクウィキメディアコモンズ外部リンク写真に基づきます。 撮影:NordNordWest/Wikipedia。 ライセンス:Creative Commons 外部リンクCC-by-sa 3.0/de