(*鉄道の好きな女は「鉄子」なら、道路に興味のある女は…?)
ご挨拶 || ブログの復活 || 「石油ピーク」の次は「自動車ピーク」? || 春 || 東日本大震災のお見舞い || ハンブルクですら進歩 || バイクシェアリング、簡単になる! || 気候同盟 || 自転車交通事故 || クリーン・エネルギーに乗り換えってね!
年末をデンマークで過ごし、ちょっと違った交通手段に着目し、北海沿いの灯台巡りをしました。上の写真は1877年に崖の上に建設されたボーバーグ灯台です。灯台を見学し、上まで上ることができましたので、陸と海を見るすばらしい眺めと強い海風のおかげで素早く交代する影と雲の間から光や日により照らされている濃い色の冬の大自然が印象的でした。
Glædig jul og godt nytår!
皆さん、ブログがやっと復活しました!
暮らしている家の工事、パソコンの問題や忙しい仕事が重なってしまい、大変申し訳ございませんが、皆様を大変ご無沙汰してしまいました。ソフトのバージョンアップと再インストールがやっとうまくいったので、ずっと気にしていた問題が解決してブログの定期的な更新がまた可能となりました。
年末年始は年賀状の準備や配送、今年の後半にたくさん入ってきた新しい語彙(再生可能エネルギー、エネルギー効率やエコ住宅など)の整理やゆっくりと休むことを予定しております。
これからもよろしくお願いします!
西イングランド大学の交通研究者Phil Goodwinが「自動車ピーク」を予言しています。以前は栄えていた鉄道やバスに続いて、クルマの数と役割が減り続くと、先生が判断しています。
このニュースを見てネットでいろいろ調べてみると、日本とドイツだけではなく、相変わらず「自動車大国」とみられているイギリスにも同じ傾向があるようです。若者がクルマよりはインターネットを大事に思い、交通手段をそのときそのときの需要によって選ぶライフスタイルを好んでいます。クルマがステータスシンボルとしての価値をどんどんなくしながら、不況や上昇する石油価格によりクルマの魅力がますます劣ります。しかし、この傾向が不況の前から始まったので、お金さえあればクルマがよみがえると思えないそうです。
実際には、イギリスの交通政策が大きく変わりました。例えば、一昨年行ったオクスフォードでは中心市街地における駐車場が基本的になく、クルマをかなり遠い郊外の有料駐車場に停めて、バスで中心市街地まで移動することになっていますのでびっくりしました。こうしますと、クルマが本当に不便になります(歩行者や自転車、そして楽しくブラブラできる街のためにはもちろんいいことです!)。
また、イギリスで運転免許を持っている若者(17~20才)の割合が1992年の48%から2007年の38%に減少し、21~29才の若い大人に関してはその割合が同期間内に75%から66%まで減少しました。ロンドン市内の「自動車ピーク」が90年代に起き、2003年に導入されたロードプライシングがそれに拍車をかけたが、原因ではなかったようです。持続可能な交通計画に関するある研究の結果、ほとんどの街においては自動車トリップの数や距離が減りつつあるそうです。
その一方、徒歩、自転車と公共交通の人気が増えつつあります。また、特にLRTの沿線に住んでいる人に関しては、自動車の所有が収入を問わずに減っていくそうです。
そうしますと、自動車交通のインフラ拡大への投資は無駄ではないでしょうか。
信じられない!もう5月の中頃?ずっと書こうとしたブログも書いていないし・・・。
今年の春は仕事やサイクリングなどの遊びで一杯で、ブログを書く余裕がなかなかありませんでした。
例年と違って、今年のイースターのツアーはあまり遠くまで出かけず、ハンブルクの西にある欧州最大の果樹園風景を誇る「アルテス・ラント地方」を満喫することにしました。近いから、2回の日帰り旅行となりましたが、桜の花とリンゴの花がちょうど満開で、お天気もすばらしかったので夢のような二日間でした。オートフォーカスが狂っていたちょっといいカメラも直ったので、かつては果樹の花の写真をこんなにたくさん覚えがないよ!
「アルテス・ラント」とは、1100年代以降オランダ人二より開拓された農地で、はるは花、秋はリンゴやサクランボなどを楽しめる果樹園の他には特に複雑で大変美しい煉瓦の飾りが特徴である農家が有名です。エルベ河沿いの低地であるため、どこに行ってもほそい川や堤防が多く、堤防の上を歩く所も多いで眺めがよく、花により真っ白やピンク色に染まっている風景を眺めることは大変楽しいことでした。気が向いたら田舎風の小さいレストランに入り、イチゴが山盛りになっているアイスクリームをなめて、アイスクリームで体が冷え切ったので熱いコーヒーを飲んだり、ゆっくりした時間を贅沢に過ごしました。時々はあまり遠く行かなくてもいいですね。
お天気がよかったせいか、自転車で歩くなどの人が非常に多かったので、特にハンブルク市内からの渡し船の船着き場周辺が大変混雑しました。また、「エルベ河長距離自転車道」が果樹園を横断し、大きい荷物を積んでいる自転車の旅人にも出会いました。エルベ河沿いの路線バスが自転車専用のリヤカーを引っ張っているので、鉄道が無くても自転車を楽に運ぶことができるが、自転車をクルマに乗せている人も多く見ました。
このツアーの他には、国際建設博覧会(IBA)が開催中であるヴィルヘルムスブルク地区にも出かけました。市内のある環境団体が案内したツアーで、国際園芸博覧会(IGS)の予定地や欧州内でも大変珍しい淡水干潟の自然は中心でした。参加者はほぼ20名で、最後にはおいしい手作りのケーキとコーヒーを楽しんで、大変充実した一日でした。港湾施設や低所得者住宅が多く、普段は遠足の目的地としてあまりぴんと来ないヴィルヘルムスブルクにはすばらしい自然と昔ながらの農村があることには多くのツアー参加者がびっくりしたようです。
夏らしいお天気が3週間ほど続いたので自転車に乗って飛び回ってなど、遊ぶのは楽しかったが、農家の人は本当にあえいでいた。真っ黄色の菜の花が春の名物であるシュレースビッヒ・ホルシュタイン州の菜の花が雨不足のために育たなかったため、せっかくの菜の花が結局すき倒されて大変残念でした。地球温暖化かな?
3月11日の東北関東大震災が想像できたこと、心配したことを遙かに超えて、震災や津波などでご苦労をしている皆様に心からお見舞いを申し上げます。
毎日のニュースを何回も何回も検索しても、ニュースを見るたびに胸が悲しい思いや寂しい思いで一杯になるばっかりです。東北地方の皆様、日本の皆様が皆でがんばってこの大災害を乗り越えて、将来も元気にたくましく生きていくことを心からお祈りを申し上げます。
日本からはるばるに遠いドイツですが、もしご支援ができること、お役に立つことがありましたら、ご遠慮なくいつでもご連絡下さい。
ハンブルクの「自転車フォーラム」が今月に集会しました。州環境都市開発省(BSU)、区行政や警察の代表者、政党の交通専門家、自転車関連団体の代表者などが集まり、今までの進歩とこれからの進み方を議論してきました。
ハンブルクの自転車交通戦略が2006年にまとめられました。目的は2015年まで自転車の交通分担率を18%まで倍増することで、重要な取り組みはバイクシェアリングの導入(2009年実施!)や全市を渡る自転車感染ルートネットワークの整備(2010年に見学評価、2015年まで3ルート完成の予定)や自転車を歓迎する雰囲気を作り上げる広報活動などです。
「自転車フォーラム」の会議では、今までの実績を整理したリポートが公開され、その写真集(PDF)が先端的な自転車交通空間整備に関して特に参考になります。「進歩が遅い!」と、もっと大きい努力を求めている声があった一方、「最近の整備は本当に快適で走りやすい!」と、実績を認める声もありましたが、最後には「広報活動がまだ足らないので、今後のことを一緒に考える必要がありますよ!」との結論が出ました。
ところで、昨年携わったトュービンゲン市の自転車交通計画(PDF)が市のウェブサイトでオンラインになりました!
2009年の7月に導入されたハンブルクのバイクシェアリングシステム「シュタットラート」には無線技術が導入され、もっと便利になります!
自転車を使う前に、自転車の車体番号に応じた鍵コードを入力し、返す時は返却コードを入力することは必要でしたが、2月末に導入される無線システムによりその手間が省き、もっとべんりになります。貸し出しと返却の登録にはアイデンティティカード(クレジットカードや銀行のデビットカード)を使うことにも、最初の30分は無料であることにも代わりはありません。ただし、無線システムを使える前に自転車の鍵とターミナルの改造が必要で、システムを2週間ほど使えなくなります。残念・・・。(T_T)
ハンブルクのバイクシェアリングシステム「シュタットラート」が本当によく使われています。2010年末には自転車1000台が中心市街地の72カ所に配置され、約7万5000人の利用者が登録済みです。1日当たりには2000台以上が貸し出され、夏の間はその倍が貸し出されました。システムの提供者であるDBレント社もびっくりするほどの成功で、利用率が他の都市におけるコール・ア・バイクの累積利用率を上回っているそうです。ハンブルク州都市開発・環境省の担当者によりますと、自転車のハンブルク独特の名前と真っ赤なデザイン、ターミナルの配置とターミナル間の距離、システムの信頼性と手頃な値段がその成功につながったそうです。
ところで、余談ですが、日本にも同じようなシステムがあることはご存じでしょうか?
< 追 伸 >今回の整備に関しては、初めて沿道の駐車場をバイクシェアリングのポートに転用することになっています。今日の新聞によりますと、歩道の下に電線や水道などがあるためにポートの建設が難しい場合があるだけではなく、自転車の回転がクルマの回転より圧倒的によいとのことです。駐車場には1日最大10車両が停まる一方、バイクシェアリングの自転車が毎日平均5回移動します。クルマ1台のスペースにはバイクシェアリング自転車を7台ほど停められるので、35名に人が得します。
<2011年2月17日(木)>
マインツの近江さんからのご連絡が入り、すばらしいパンフレットをご紹介いただきました。
地球温暖化防止にがんばっているドイツ国内の自治体がメンバーとなっている気候同盟の パンフレット(pdf)が日本語になっております!様々なプロジェクトがご紹介され、本当に読む価値があります。
実物がまだあるようで、ほしい方、またはほしい方をご存じの方、是非ご連絡下さい!
今月中旬には、46才の女性がハンブルク市内で右折する大型トラックによりひかれ、事故現場で死亡しました。原因はまだ不明ですが、死角のためにトラックの運転手が自転車を見逃したのではないかと、推測されています。
市内の交通安全に着目した取り組みとしては、「チェックしたの?」といったタイトルのキャンペーンです。ハンブルク州の内務省、全ドイツ自転車協会(ADFC)、自転車修理屋の組合などが共同開催しているこのキャンペーンが2004年以降、毎年の冬に開かれています。ライトやブレーキを含む秋の自転車チェックに加えて、クイズや情報提供が行われています。自転車の死亡事故の注意を引き、自転車交通への配慮を求めているゴーストバイクが昨年に初めて街中に置かれました。
ゴーストバイクは2003年に米国で初めて登場したようです。真っ白に塗ってある自転車が死亡事故のあった所におかれている普通の自転車ですが、2009年からはドイツ各地でも出てくる場合があります。その一方、ハンブルク市の交通安全キャンペーンにおけるゴーストバイクは昨年、自転車交通事故多発地区におかれました。「私を見逃してはいけないよ」、「私があなたのそばにいるよ」、「私も目的地を持っているよ」と「私は行く途中ですよ」と書いてあり、このゴーストバイクがくるまのドライバーに話をかけながら、行政には自転車に優しい交通インフラの整備を求めていました。
わかりにくい走行空間や自転車を歓迎しない雰囲気は交通事故につながる場合が多いので、ADFCが自転車に優しい道路整備を求めています。「自転車のマナーが悪い!」との意見をよく聞きますが、交通ルールを十分に意識しても交通違反を避けられない自転車走行空間さえありますので、交通インフラの不足が事故を招くケースも少なくありません。
特に大型車両との事故の場合は大けがや死亡につながることが多いので、対策が必要です。例えばロンドンのように、大型トラックを市街地から追い出す議論は必要でしょうね。
ハンブルクの街を歩くと、最近よく目にするものは「クリーン・エネルギーに乗り換えってね!」と、呼びかけてくれるサドルカバーです。
内容は2009年に設立された100%市営のエネルギー供給者「ハンブルク・エネルギー」の宣伝です。市営の発電会社が2001年に売却され、民間企業がやはり長期的で持続可能な発展よりも短期的な利益を気にすることを反省して設立された会社です。発電の他にガスの提供がありますが、「エネルギー源がなるべく再生可能エネルギーでも価格は安い」とのコンセプトです。いくつかの料金プランがあり、安いものは化石燃料が9%以下、それよりやや高いものは100%再生可能です。持ち家の場合は、屋根を「ハンブルク・エネルギー」に貸して、ソーラーパネルの設置から収入を得ることもできます。ソーラーパネルの設置に適切な屋根を探すためには、全市のマッピングが行われ、立体のモデルが作成されました。なかなか魅力的なコンセプトと思いませんか?
ところで、宣伝印刷のサドルカバーが最近ドイツではやり、日本の駅で配られるティッシューのようなものです(内容はサラ金ではありませんが・・・)。サドルが汚れない、雨のときにぬれないので、カラーフルで便利です。日本でもヒットすると思いませんか?広告会社の誰かがいつか気づくのかな?
「ハンブルク・エネルギー」のサドルカバーを残念ながらもらっていませんが、今年の一月で既に乗り返っておりますので、大丈夫!
最終更新:2012年2月10日
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