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会議:
ドイツ初の全国自転車会議

2009年5月7日~8日

自転車のツアー
「全国自転車会議」のミニ写真集。上から下:▶会場の入り口▶ティーフェンゼー交通大臣▶参加者カード▶休憩の雰囲気▶政治家のパネルディスカッション▶会場のファサード▶「ベスト・フォア・バイク」賞の授賞式▶「ベスト・フォア・バイク」人物のテプファー元環境大臣▶夜のライブ音楽

あらゆる分野において自転車と関わりのある人約450名が出席したドイツ初の「全国自転車会議」が2009年5月7日と8日に「連邦交通建設都市開発省(BMVBS)」によりベルリンで開催されました。開会式の冒頭演説を行ったティーフェンゼー交通大臣によると、この会議が自転車交通の発展に新たな刺激を与え、自転車がクルマ並みの交通手段になることに一歩でも近づいたことが期待されています。自転車に適したインフラ整備から自転車の健康効果まで、多様なテーマがリンク8つのワークショップで議論され、閉会式の前には今年のリンク「ベスト・フォア・バイク賞」の授賞式が行われました。

会議の主な内容
リンク知識交換 ||  リンク行政改革 ||  リンク日常自転車交通 ||  リンクインターモーダル交通 ||  リンク自転車でのレジャー
リンク私の見解

知識交換

自転車に興味のある人の幅広い意見交換と知識交換がこの会議の主な目的でしたが、この会議以外にも知識交換のプロジェクトが各レベルにあります。

例えば国レベルのプロジェクトとしては、セミナーや視察を行い、自転車に関する専門知識を行政に与えながらドイツ各地の自転車交通担当者の交流を深めようとしている「自転車アカデミー」がこの会議でとてもほめられました。「全国自転車交通計画2002~2012」で求められているように、自転車アカデミーが2007年に「ドイツ都市研究所(DIFU)」により設立されました。

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行政改革

「ライプツィヒ憲章」は2007年にEU各国の都市発展担当大臣により調印された持続可能な都市発展に関する理念です。この理念に基づき、都市発展計画と交通計画を結びつけながら自転車利用と徒歩を促進するべきです。

自転車の交通分担率が近年12%に増えたベルリン市がこの条件を満たしています。市が2003年に発行した「交通都市発展計画」は徒歩、自転車と公共交通からなっているいわゆる「環境連合の交通手段」を特に重視しています。行政、環境団体、交通事業者や自転車関連企業の代表者と学術経験者などが出席している委員会がさらに立ち上げられ、この委員会が市の自転車政策を定期的に評価し、進路修正を行っています。

市が自転車を「遊びに出かけるおもちゃ」ではなく、「クルマと同等の日常交通手段」として扱い、特に電車への持ち込みなどにより様々な交通手段を結ぶことを目指しています。交通安全の確保、持続可能なモビリティーに関する啓蒙活動や広報活動などがソフト政策として重視されています。また、全市において良質の駐輪場を十分の数で確保できるように、市が独自の「駐輪場の整備ガイドライン」をまとめました。

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日常自転車交通

日常の自転車利用が自転車の交通分担率向上の鍵を握っていると言われています。「自転車に快適な空間」は自転車道や駐輪場だけではなく、「ゾーン30」や「シェアード・スペース」など、交通静穏化によりクルマのスピード・ダウンを目指した空間です。連邦政府が依頼した研究の結果、これらの整備の効果を初めて数値化できます。自転車インフラの維持費、環境付加の減少や事故発生と健康効果などがこの評価法の指数となります。

自転車での通学や買い物が多くても、自転車通勤がまだ少ないため、2001年にバイエルン州でスタートした自転車通勤プロジェクトが2003年以降、毎年に全国で行われています。リンク「全ドイツ自転車クラブ(ADFC)」と健康保険会社の連合会である「AOK」がこのプロジェクトの共同開催者です。通勤距離は10キロ以下で、クルマから自転車に乗り換えられる人はドイツ国内で約700万人いると計算され、皆が本当に自転車に乗ればCO2排出の大幅の削減だけではなく、成人病の対策も期待できるとされています。週に3回3キロ以上自転車に乗る人でも病休が明らかに経ることを示しているオランダの調査結果に基づき、700万人が自転車に乗り換えると、病休から発生する経済負担が17億ユール減少すると言われています。

ところで、ドイツ国内の自転車インフラ改良を目指して、国内の交通ルールである「道路交通規則(StVO)」が2009年9月に改正され、リンク車道内の自転車車線をさらに整備しやすくすることになっています。自転車道の整備基準である「道路・交通研究協会(FGSV)」の「自転車道に関する推薦(ERA)」が同時に改正されます。

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インターモーダル交通

自転車と他の交通手段の連結が自転車の利便性向上につながることは当然ですが、その新しい方法としては「バイクシェアリング」が今ヨーロッパ各国で注目されています。「バイクシェアリング」とは街の中心市街地のどこでも拾える新型のレンタサイクルで、例えばパリの「ベリブ」やドイツ鉄道のリンク「コール・ア・バイク」はその一つの例です。バイクシェアリングに関するモデルプロジェクトが今ドイツ国内で募集中ですが、ヨーロッパ各国のバイクシェアリングの快適化を目指した取り組みとしては「OBIS」もありました。「OBIS」がバイクシェアリングのベストプラクティス事例、技術情報やバイクシェア-リングと公共交通の組み合わせ方などに関する情報を収集し、提供しています。

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自転車でのレジャー

暇の時に自転車に乗り、自転車の楽しさを味わうことは自転車の日常利用につながるかもしれませんので、自転車のイベントとカーフリー・ディを結びつけている「スロー・アップ」プロジェクトがスイスで行われていますが、自転車でのレジャーそのものが最近、見捨てられないビジネスとなっています。

年間の売り上げが91億ユーロと推測されているドイツの自転車ツーリズムがすでに重要な観光分野となっていますが、この分野にさらなる力を入れる地方があります。例えば、自転車の利便性を高めるために自転車持ち込み可能の公共交通(鉄道や自転車用のリヤカーを引っ張っているバス)を増やしている地域があります。

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私の見解

「会議はどうだったの?」と言われた時に「うん、ケータリングはすごかった!」と答えるのはばかばかしいかもしれませんが、本当にそうでした。しかし、今回のおもしろい会場と豪華なケータリングだけではなく、大臣の冒頭演説や各党の政治家が参加したパネルディスカッションなどがあり、自転車を見る目が変わったような気がします。自転車交通はしっかりした都市交通であることに関する意識が芽生えてきているのではないでしょうか。

なんと言っても、今回の会議は形だけではありませんでした。内容は非常に多様で参考になっただけではなく、自転車に関するあらゆる分野の人が大勢いましたので楽しい出会いもありました。演説やワークショップの間の休憩が長く、皆がネットワーキングに必死になって、会場が非常に賑わって楽しい雰囲気でした。

ところで、「全国自転車会議」は一発勝負ではなく、今後も開かれるそうです。閉会式の挨拶によると、2010年の会議はリンク「自転車に優しい市町村の協議会(AGFS)」を巻き込んでノルトライン=ヴェストファーレン州で開催される可能性があります。

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最終更新:2009年5月20日
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