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ハーフェンシティ

ハーフェンシティの歴史
ハーフェンシティの歴史。上から下:▶赤レンガ倉庫に飾ってあるハンブルク市紋▶100年前のバース▶同じバースの現状▶対岸から見たハーフェンシティ

ロンドンのドックランズ、横浜のみなとみらい21やニューヨークのウォータフロント計画。コンテナ船の大型化などに伴って変化し続ける世界各地のポートタウンにおけるウォータフロント再開発が進んでいます。

面積157ヘクタールにも及ぶハンブルクのハーフェンシティは欧州域内で最大のウォータフロント再開発プロジェクトと言われているだけではなく、職、住とレクリエーションだけではなく、教育と観光をされに視野に入れた、人口およそ1万2千人の生き生きした街区の形成が注目を浴びています。

内容
リンクプロジェクトの歴史と背景 ||  リンクハーフェンシティがどんな地区になるのか? ||  リンク持続可能な発展を目指すウォータフロント再開発 ||  リンクエネルギー供給 ||  リンク洪水に強い地区を作る ||  リンクハーフェンシティ有限会社 ||  リンク地図

プロジェクトの歴史と背景

2001~25年の間は、ハーフェンシティを西から東に次第に開発することになっています。再開発のマスタープランが2008年に公開され、その前から計画されてきたザンドトールカイが翌年、最初の街区として完成しました。住宅、オフィス、店舗や飲食店がこの街区に並び、雰囲気が大都市の都心にふさわしいといえます。

ハーフェンシティが開発中の土地は元々、倉庫と船を止めるバースが密集したフリーポートでした。しかし、1911年に開通したリンクエルベ・トンネルが下流にあるなどが理由で、今主流となっているコンテナ船がこのバースに入ることができません。その結果、この地区がフリーポートから外され、再開発予定地となりました。

しかし、なぜ5500世帯の住宅街を開発するのでしょうか。主な理由が二つと言われています。まずは、都市州であるハンブルクの特徴が挙げられます。市の人口が増えても、市街地を周辺地域に伸ばすことができず、(市の税収とつながる)産業跡地などの空き地を住宅開発に活かすしかありません。集約型都市を形成する重要な動機です。また、港湾施設には市有地が多く、土地売却から得た資金を投資し、新たなコンテナターミナルを開発することになってたことが二つ目の理由とされています。しかし、世界海運を巡る近年の危機的な状況や従来のコンテナターミナルの効率向上を背景に、この計画がとりあえず棚上げになっているようです。

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ハーフェンシティの建物
ハーフェンシティの建物。上から下:▶市紋といかり▶持続可能な開発の認証マークを受けた最初の建物。企業の建物ですが、1階部が公開され、喫茶店や店舗があります。階段の下が海抜4m、階段の上が8mにあります。▶建物が傾き、橋の下にあるが、港湾労働者の食堂が人気のある喫茶店になりました。▶クルーズセンター。

ハーフェンシティがどんな地区になるのか?

ハーフェンシティのビジョンは、中心市街地らしい生き生きとした街区です。住宅、職場と遊ぶところが精密に混合した、密度の高い街区です。このビジョンを本当に実現するためには、投資家を慎重に選ぶことになっています。土地の売却価格ではなく、プロジェクトの特徴や多様性が決定的です。たとえば、総面積の6~7割を自社で使うことがオフィスビルの開発に関する応募条件となっています。

長年大きな道路や港湾施設により中心市街地から分断されたエルベ川へのアクセスを改良し、水面を楽しむことがとくに重視されています。港町らしい雰囲気を強調するクルーズセンター、保存船やクレーンなどがそのために空間デザインの一部となっています。隣接する赤れんが倉庫街や点在する建築遺産が保存され、広場ではなく、一つのバースがハーフェンシティの中心になるとされています。

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持続可能な発展を目指すウォータフロント再開発

ハーフェンシティの11街区に関する詳細な建設計画であるBプランが2004年から、次第に作成されています。リンク港湾施設が隣接するので、その際の環境影響削減がもちろん大きな課題となっています。Bプランが建築や空間利用などの詳細を含んでおり、持続可能な発展の促進が重視され、ハーフェンシティ独自の持続可能な品質認証マークが「持続可能な建築のためのドイツ協会」のリンク認証マークよりも早く導入されました。

ハーフェンシティの認証マークを受けるためには、5つの分野をクリアーしなければなりません。その主な内容は建築物の運用から発生する第一次エネルギーの消費、上水や公共空間などを含む公共物の慎重な使い方、環境負荷が少ない建設財の利用、健康と住みやすさを重視したデザインやバリアフリー化と耐久性の実現です。

最初のうちは、住宅、オフィスや学校などの「特別建築物」のみがこの認証マークを得ることができ、住宅はパッシブハウス基準を満たすべきでした。2010年以降は商業施設やホテルも認証マークの対象となりました。建築物が完成してから2年間ほど行われるモニターリングも一つの条件となっています。しかし、生き生きした街区の形成を重視した一つの条件がこの認証マークの目玉といえます。あらゆる建物の1階部を一般市民に公開し、喫茶店や店舗などを整備する決まりがあります。

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エネルギー供給

リンク再生可能エネルギーを重視し、地域暖房などのエネルギー源を分散させることがハーフェンシティのエネルギーコンセプトの主なポイントとなっています。主なエネルギー源がコジェネレーション、太陽光、地熱、木材チップやバイオメタンで、水素電池など、先端的な技術が実験されています。

ハーフェンシティの洪水対策
ハーフェンシティの洪水対策。上から下:▶洪水が発生した場合の行動を知らせる看板の一部。▶窓の前にある重たい金属の扉▶入り口を二つ持つ銀行。上は避難橋、したは路面です。▶人が常にいる、低い土地にある建物が必要とする避難橋。

分散型のエネルギー供給には、いくつかのメリットがあります。全部をいっぺんに整備しなくても良いし、一部がうまくいかなくても全部が停滞しない。システムが柔軟であるので、エネルギー供給が街区の開発とともに成長し、将来のニーズに合わせることが可能です。ハーフェンシティは2025年に完成する見込みですが、将来のエネルギー需要は誰にも予測できません。性能もだんだん良くなります。最初に実現された部分に関しては、1kWh当たりのCO2排出量が175g以でしたが、今後は1kWh当たり89g以下を目指すべきです。

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洪水に強い地区を作る

ハンブルク市が海から100キロほど離れていますが、満潮干潮の差が3.5mほどで、海の影響を強く感じます。その結果、ハーフェンシティは高さ7.5~9mの堤防に囲まれています。

その一方、ハーフェンシティは人工の高台となっています。道路が海抜7.5mにあり、海抜4.4mにあるハーフェンシティを囲む遊歩道が年に数回水没します。堤防がないので、建物の保護が大きな課題となっています。海抜8.1m以下の全てのドアと窓に防潮扉をつけることが義務となり、高台へのアクセスが困難な場合は避難路となる橋を建物につけなければなりません。建築には普通でも必要である建設許可の他に、洪水対策行政の許可が必要となります。

さらには、ソフトの対策があります。市が2002年に「ハーフェンシティ洪水対策命令」を発行し、全てに敷地に関して2名の洪水責任者の指定、洪水対策計画の作成や定期的な洪水対策訓練を義務づけています。さらには、地区内への全ての入り口に洪水が発生した場合の安全対策が書いてあります。

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ハーフェンシティ有限会社

ハーフェンシティの開発を担当しているのは市の子会社であるハーフェンシティ有限会社です。市が24億ユーロの予算を有限会社に渡し、有限会社はそのうちの15億ユーロを市有地の土地売却から得ることになっています。市の予算に対する民間の投資額が80億ユーロと推定されています。有限会社は市有地の売却の他に、道路、橋や公園などの計画と整備を担当し、建築予定地整地やハーフェンシティに関する広報活動を行っています。

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ハーフェンシティの地図

ハーフェンシティ
ハーフェンシティの開発予定(©OpenStreetMap contributors)

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最終更新:2013年9月19日
© Susanne Elfferding. All rights reserved.