元々はエルベ川の小さな中州であったゲオルクスバーダが主に廃棄部の最終処理場のために有名になりました。1948~79年の間に広さ42ヘクタールの敷地に700万m3の廃棄物がたまりました。戦争の瓦礫や家庭ゴミが捨てられただけではなく、農薬の化学物質など、工場から出る廃棄物も混じっています。
その結果として発生したダイオキシンなどによる地下水汚染が80年代の中頃に明らかになり、10年と9500万ユーロをかけて、廃棄物を樹脂のシートなどに包み、有害物質が染み出ないようにシールされました。1992~2004年の間に、4台の風力発電機がゴミの山の上に立ちましたが、基礎のために穴を掘ることがもちろん不可能でしたので、山の上に乗るコンクリートの板が基礎に使われています。さらに、最終処理場から発生するメタンガスを隣接する青銅工場のエネルギー源として使うことになりました。
しかし、ゴミの山が落ち着きません。廃棄物が発酵し続けているので、メタンなどのガスが発生し、山が少しずつ変形し、徐々に低くなっていきます。地下にたまる有毒の排水を継続して処理する必要があります。
国際建設博覧会のIBAハンブルクのプロジェクトとして、この最終処理場のエネルギー効率を上げることになっています。さらに、現在は立ち入り禁止のゴミの山を廃棄物の処理、再生可能エネルギーやリサイクルに関して勉強できる展望台として公開することになりました。
エネルギー効率を上げるための工夫がいくつかあります。すでにある4機の風力発電機を新しくて大きいものに入れ替えるリパワーリングがその一つです。さらに16,000m2の太陽光発電施設を設置するだけではなく、熱交換機を使って廃棄物からしみ出る排水にこもる熱エネルギーを上手く使うことになっています。また、廃棄物の山に生えている草を定期的に刈り、バイオガスの製造に使うことが提案されています。これら工夫の結果、2000世帯に電力を提供できる見込みです。
ゴミをただ単に捨てることは決して安く付きませんが、ゴミの山が地元社会の負担になるだけではなく、やっと少しでも役に立ちそうです。
最終更新:2012年6月12日
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