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道路

市町村の市街地内道路を快適に整備することは大変な課題です。ドイツの場合は、「道路・交通研究協会(FGSV)」により2007年に発行された「都市内道路に関する整備基準(RASt 06)」がその基準となっています。この整備基準の内容を日本の「道路構造令の解説と運用」に比べると、歩行者や自転車がかなり重視されていることがわかります。

「都市内道路に関する整備基準」が道路を交通の特徴(道路の目的、規模、交通量など)と沿道空間の特徴(土地用途、遠藤建築、空間構造など)の基づいて、以下の表でっ整理されている12種類に分けています。それぞれには適した設計方法と設計事例が推薦されています。さらには、交差点の設計(信号機の有無、ろーたり型交差点など)とデバイス(狭さく、交通島や歩道のマウンドアップなど)が含まれています。歩行空間や内部リンク自転車道と駐輪、そして公共交通に関する指摘も豊富ですが、それぞれの詳しい整備基準などが別にもあります。

道路の種類

種類 空間の特徴 交通の特徴 整備事例
住宅地内路地 【道路の種類】地区内道路
【区間延長】約100m程度
【用途】居住
【沿道建築】一戸建て、低層住宅
【交通量】自動車150台/h以下
【自転車道】無し
【歩道】無し
【備考】滞留が重要なので、交通静穏化が必要
住宅地内路地
住宅地内道路 【道路の種類】地区内道路
【区間延長】約300m
【用途】居住
【沿道建築】住宅(低層住宅が多い)
【交通量】自動車400台/h以下
【沿道駐車】有り
【自転車道】無し
【歩道】有り
【備考】主にゾーン30内;リンク自転車専用道路としての整備が可能
住宅地内道路
住宅地のアクセス道路 【道路の種類】地区内道路
【区間延長】約300~1000m
【用途】居住
【沿道建築】住宅(高層住宅が多い)、商店と公共施設が少ない
【備考】道路空間がはっきりしないので、わかりやすい空間整備が必要
【交通量】自動車400~800台/h以下
【沿道駐車】有り
【公共交通】路線バスが透る場合は多い
【自転車道】必要
【歩道】必要
【備考】スピード違反が多いので、走行速度を横断歩道などの整備により減らすべき
住宅地へのアクセス道路
街区道路 【道路の種類】地区内道路や幹線道路
【区間延長】約100~300m
【用途】混合利用(住宅、サービス業、産業)
【建築】19世紀末の連続的建築が多い
【備考】滞留空間の確保が必要
【交通量】自動車400~1000台/h以下
【沿道駐車】有り
【公共交通】あり得る
【自転車道】あり得る
【歩道】有り
【備考】違法駐車対策が必要
街区道路
村落内幹線道路 【道路の種類】地区内道路や幹線道路
【区間延長】様々
【用途】混合利用
【建築】地方らしい
【備考】滞留空間の確保が必要
【交通量】自動車200~1000台/h以下
【公共交通】あり得る
【自転車道】自転車が少ない場合も必要
【歩道】歩行者が少ない場合も必要
【備考】村落への入り口などにおけるスピード違反対策(交通島、ロータリ型交差点、横断歩道など)が必要、可能の場合は交通静穏化と速度制限が推薦されている
村落内幹線道路
市街地へのアクセス道路 【道路の種類】幹線道路
【区間延長】200~800m
【用途】混合利用(産業や住居、店舗が少ない)
【建築】統一しない
【交通量】自動車400~1800台/h以下
【沿道駐車】有り
【公共交通】路線バスが通る場合が多い
【自転車道】必要
【歩道】十分に広い場合が多い
【備考】道路が真っ直ぐであるためスピード違反対策(交通島、ロータリ型交差点、横断歩道など)が必要
市街地へのアクセス道路
商店街 【道路の種類】地区内道路や幹線道路
【区間延長】300~600m
【用途】混合利用、店舗がきわめて多い
【建築】連続的で密度が高い
【備考】小都市の中心市街地、大中都市の中心市街地以外の地区
【交通量】自動車400~2600台/h以下
【沿道駐車】有り
【荷下ろし】有り
【公共交通】路線バスやトラム
【自転車道】速度制限がある場合は不要
【歩道】十分に広い歩道と道路を横断できる場所の確保が重要
【備考】速度制限が必要(沿道駐車場の形成、交通島、緑化など)
商店街
大型商店街 【道路の種類】地区内道路や幹線道路
【区間延長】300~1000m
【用途】混合利用、店舗がきわめて多い、住宅がほとんど無い
【建築】連続的で密度が高い
【備考】大中都市の中心市街地
【交通量】自動車800~2600台/h以下
【荷下ろし】有り
【公共交通】路線バスやトラム
【自転車道】速度制限がある場合は不要
【歩道】十分に広い歩道と道路を横断できる場所の確保が重要
【備考】速度制限が必要(沿道駐車場の形成、交通島、樹木など)、公共交通のみ通行可能にできる
大型商店街
産業道路 【道路の種類】地区内道路や幹線道路
【区間延長】200~1000m
【用途】産業(大型商店、オフィス、レクリエーション)
【建築】敷地が広く駐車場が多い
【備考】空間構造がはっきりしない、緑化が望ましい
【交通量】自動車400~1800台/h以上
【荷下ろし】有り
【自転車道】必要(交通量の多い敷地の出入り口)
【歩道】有り
【備考】自動車中心の道路設計
産業道路
工業道路 【道路の種類】地区内道路や幹線道路
【区間延長】500~1000m
【用途】工業
【建築】敷地が広く建物が大きい
【交通量】自動車800~2600台/h以下、大型トラックが多い
【沿道駐車】大型トラック
【公共交通】ある場合は多い
【自転車道】自転車が少ない
【歩道】歩行者が少ない
【備考】自動車中心の道路設計
工業道路
連絡道路 【道路の種類】幹線道路
【区間延長】500~1000m以上
【用途】居住、産業
【建築】様々
【備考】空間の特徴が中心市街地からの距離によって一本の道路内でも異なる
【交通量】自動車800~2600台/h以上、通過交通が多い
【沿道駐車】ある程度有り
【公共交通】有り
【自転車道】専用空間が必要
【歩道】歩道と横断歩道が必要
【備考】スピード違反が多い
連絡道路
敷地への出入り口がない道路 【道路の種類】幹線道路
【建築】無し
【備考】空間の特徴が中心市街地からの距離によって一本の道路内でも異なる
【交通量】自動車800~2600台/h、大型トラックが通る
【沿道駐車】有り(ある程度)
【公共交通】有り得る
【自転車道】専用空間が必要
【歩道】専用空間が必要
【備考】速度制限が50キロ以上の場合は徹底した歩車分離が必要(自転車道を含む)
沿道敷地への出入り口のない道路

※「区間延長」は交差点間の距離です。

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最終更新:2009年5月11日
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