都市 人口 面積 |
交通 分担率 |
特徴 |
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ベルリン 350万人 892km2 |
転13% 歩30% 公26% 動31% |
自転車交通の増加が大きい。車道内の自転車車線整備が重点的政策。行政やNPO法人などが委員となっている自転車交通委員会。自転車交通戦略(2004年)。現状評価は2年に1回。自転車交通分担率を2010年までに15%まであげ、公共交通の分担率を上げることは自転車交通計画の目標であった。同計画がさらに交通事故の削減とルートネットワークの充実を計る。 |
ハンブルク 180万人 755km2 |
転12% 歩28% 公18% 動42% |
自転車交通戦略が2007年に州議会により確定。目標は自転車交通分担率の2015年までに18%への倍増。連続的な幹線ルートネットワークを整備中。主に60年代と70年代に整備され、現在の基準を満たさない数多くの歩道内自転車道が大きな課題。 |
ミュンヘン 138万人 310km2 |
転14% 歩28% 公21% 動37% |
2010年以降は主に公共活動(「自転車の首都ミュンヘン」キャンペーン)、イベントやファッションショーなどを含む、アーバンライフスタイルの自転車。関連の融資と人事に関する決定が2009年。 |
ケルン 100万人 405km2 |
転12% 歩24% 公21% 動43% |
ノルトライン・ヴェストファーレン州の「自転車にやさしい市町村協議会」の初期からのメンバー。1984年に自転車促進計画の作成、幹線を含む自転車交通ネットワークを1990年代以降拡大。2003年に自転車交通の実情とポテンシャルを引き出す力を測るバイパッド鑑定に合格。 |
フランクフルト 67万人 248km2 |
転13% 歩30% 公23% 動34% |
行政の道路交通局には自転車事務室があり、4名の専門職員がいる。自転車交通に関するラウンド・テーブル、自転車通勤を促進する「バイク・フォア・ビジネス」キャンペーン。自転車交通戦略を2009年に作成。自転車の通行権を明らかにするために路面における自転車ピクトグラムの普及。自転車交通分担率が増加した結果、中心市街地におけるマイン川の橋に関する工事費を3200万ユーロから500万ユーロに減らすことができた。 |
シュツットガルト 60万人 207km2 |
転5% 歩27% 公24% 動44% |
自転車交通の改良を議論する自転車フォーラム、ドイツ国内で初めてのポート式バイクシェアリングシステム(以前のシステムにはポートがなかった)。インフラ整備(走行空間、駐輪)の促進。自転車交通分担率を中期的に12%に上げることが目標。 |
ドルトムント 58万人 280km2 |
転10% 歩18% 公22% 動50% |
行政における自転車専門職員、あらゆる自転車走行空間が登録されている台帳、18の自転車幹線ルート、自転車交通マスタープランに基づき、自転車の交通分担率を2015年までに15%まで引き上げることが目標。ノルトライン・ヴェストファーレン州の「自転車にやさしい市町村協議会」のメンバー。 |
ドュッセルドルフ 58万人 217km2 |
転11% 歩27% 公22% 動40% |
ノルトライン・ヴェストファーレン州の「自転車にやさしい市町村協議会」のメンバー。全市の自転車幹線道ネットワークと各区の自転車交通ネットワーク。車道内の自転車車線の増設。16%の自転車交通分担率が中期目標。 |
エッセン 57万人 210km2 |
転3% 歩26% 公17% 動54% |
ノルトライン・ヴェストファーレン州の「自転車にやさしい市町村協議会」のメンバー。各駅における自転車用のコインロッカー。自転車関連イベントのカレンダー。2010年は「欧州文化首都」となり、イベントとして市内を通る高速道路を通行止めにし、自転車・歩行者・自転車天国に転用(2010年7月18日の日曜日)。 |
ブレーメン 55万人 325km2 |
転25% 歩21% 公14% 動40% |
自転車交通ネットワークが主に1990年代に整備。1999年は「緑の環状道」を開通。サービスつき大型駐輪場の充実。2009年のプロテスタント教会大会を徹底した自転車イベントとして開催。ドイツで人気のある長距離自転車道「ヴェーザー川自転車道」が市内を通る。 |
※転=自転車、歩=歩行者、公=公共交通、動=自動車。各都市の交通分担率が欧州のモビリティプラットフォームELTISに基づく。人口は2011年(連邦統計局)。
ドイツ国内では、自動車が相変わらずステータスシンボルとなっている工業都市の自転車交通分担率が低い一方、大学都市など、教育水準が高い若い人が集まる都市の交通分担率が一般的に高いといわれています。しかし、化学工場がある都市に関しては、爆発のリスクを避けるために、工場敷地内の自動車利用が禁止されているので、自転車の交通分担率は決して低くありません。
その結果、大都市のエッセン(人口57万人、自転車交通分担率3%)とシュツットガルト(60万人、5%)のほかに、たとえばザールブリュッケン(18万人、4%)やケムニツ(24万人、6%)の自転車交通分担率が低い一方、グライフスワルト(6万人、44%)、オルデンブルク(16万人、43%)やミュンスター(29万人、38%)の自転車交通分担率が高い水準にあります。グライフスヴァルトの人口がところでミュンスターの人口よりよっぽど少ないが、東北の州メクレンブルク・フォアポンメルン州の4つの上位都市の一つに指定されているグライフスヴァルトの都市機能がミュンスターの周辺地域における都市機能と同等といえます。
自転車の交通分担率を引き上げるためには、走行空間を繋げるのみが不十分です。快適な自転車走行空間を整備するために自動車の走行空間を削る道路整備者や交通管理者の意識向上やマイカーから乗り換える市民の意識開発とステータスシンボルのシフトがむしろ重要とされています。そのためにはキャンペーンを行うことやリーダシップを発揮できる人物の存在などが重要とされています。
最終更新:2012年10月13日
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